※本記事"豚足"には、グロテスクな画像(豚足そのもの)が含まれています。
苦手な方は、記事を読まれる際、ご注意ください。
昔から愛してやまない食べ物がある。
豚の足、豚足だ。
豚の足そのままの形状をしたその肉をかぶり付いて食べる。
非常にワイルドな食べ物。
炙ったものは、ゴマ味噌で食べるのが好きだな。
中国や台湾,朝鮮半島では普通に食卓に並ぶが、
日本では一般家庭の食卓に並ぶのは沖縄県と鹿児島県の奄美諸島くらい。
それ以外は、屋台や居酒屋,焼鳥屋などで、酒の肴として供される程度。
福岡は半島に近いこともあり、昔から博多の屋台を中心に豚足は人気メニュー。
炭焼きされたものを、シンプルに塩胡椒でいただくのが博多流。
茹でたものを、ポン酢やごま味噌で食べるのも美味しい。
ポン酢やにんにく醤油、味噌ダレでいただいても美味しい。
そのグロテスクな見た目から、最近まで酒呑みだけの食べ物だったが、
ここ最近は、豚のコラーゲンの美容効果が人気で、
それを豊富に含んだ豚足は若い女性にも人気が出ているとか。
また昨今のジビエブームもあって、ゲテモノの類だった豚足も抵抗が薄れてきている。
ひと昔前までは、おっさん達がひしめく屋台や焼鳥屋などでしか供されなかった豚足が、
シャレたバーや、ダイニング,創作レストランでも供されるようになった。
手を汚さないように、骨から完全に剥がされて調理されたメニューも多い。
・・・だが、ひとこと言わせてもらうと、
そんなもの豚足じゃねえ!
ただの豚の足の肉じゃ!
そう、手と頬と唇を油でギトギトにしながらかぶり付くのが豚足だ!
自分が豚足を好きになったのは子どもの頃から。
完全にアルコール依存症のうちの親父。
よく車に乗せられて、近所の酒屋まで連れていかれた。
この時点で飲酒運転が罪という意識が皆無な親父。
店のオヤジや周りの客と談笑しながら、焼酎や日本酒をあおる父。
隣に座っていた幼い自分にはラムネと、さきいかや かわはぎロールなどのつまみが渡される。
そういうのが大好きで、親父に酒屋に連れて行ってもらうのが楽しみでもあった。
近所の道の駅で販売されている加工品。
色んな味のバリエーションがあり、それぞれ商品名も面白い。
そんなある日、豚足を渡される。
しょうゆ味に調理されたものが真空パックされたもの。
その美味しさに心ときめく幼かった自分。
以来、酒屋に連れて行ってもらったら、豚足をねだるようになる。
小学生になり、お小遣いがもらえるようになると、
数日おやつを我慢して、酒屋まで豚足を買いに行くことも。
酒屋などで販売されている、おつまみ扱いの真空パック入り豚足。
塩味と醤油味があるが、臭みの少ない醤油味が好き。
そんななので、豚足は未だにこの真空パック入りのがものがお気に入り。
スーパーなどで売られている、生のものや、下茹でされた調理用のものではなく、
沖縄風にじっくり煮込んで味付けされた、てびちでもなく、
博多の屋台や焼鳥屋で、炭火でじっくり焼かれて塩胡椒まぶされた一品でもなく、
創作居酒屋などで、自家製スパイスとソースで香ばしく仕上げられた一品でもなく、
そこいらの酒屋で気軽に買える、おつまみ扱いの豚足が一番のお気に入りなのだ。
常温でそのままかぶりつく!
たまに毛が残っていることがあるが、そこはご愛嬌。
これを湯煎したりレンジで温めたりするのではなく、
常温でそのまま、袋から出してガブリといただく。
プリプリの皮の食感がたまらない。
アキレス腱のコリコリがたまらない。
わずかな肉のワイルドな風味がたまらない。
おもむろに噛みついて、骨から肉と皮をひっぺがすワイルドな感覚がたまらない。
骨をしばらく口のなかで転がして、余韻を楽しむのがたまらない。
これを温めてしまうと、プリプリの皮がドロドロになってしまい、
溶けだした脂分がギトギトになってしまい、食感も風味もかなり変わってしまう。
セブンイレブンで売られていた豚足。
食べやすい大きさにカットされ、原形はとどめていなかった。
まだまだ全国区になったとは思えない豚足。
居酒屋で食べてるとか、たまに煮込んで料理してるとかいう人もいるかもしれないが、
もしまだ未体験ならば、酒場のおつまみコーナーに並んでいる、
真空パックの調理済みのやつを、"常温"でかぶりついてもらいたい。
まだ知らない豚足の魅力に惹かれるかもしれない。
真冬だと、脂肪分が白く固まって風味が落ちるので、できればそうなる前に。
ライバルのメーカーが、かわいいデザイン出してきたもんだから・・・
それに対抗してか、豚のイラストをかわいく変更した馴染みの豚足メーカー。
だが、旧デザインの方が好きだったな・・・。
この、ほくそ笑んでいるような豚の表情がたまらない。
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