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間にあいません!強行します!!

2016-01-21 00:19:53 | ガンダム

不定期掲載ガンダム記事、"宇宙世紀に散ったキャラクターたち"。

今回は作戦成功のため隊長の制止を無視。結果、極寒の地に散ったヘアスタイルを気にする男。

"機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争"より、アンディ・ストロース

 

宇宙世紀0079。

ジオン公国軍と地球連邦軍との間に、人類史上最大の大規模な戦争が勃発した。

後に一年戦争と呼ばれる、地球圏全体に及んだこの戦い、

人型兵器、MS(モビルスーツ)を実戦投入したジオン公国軍は、

破竹の勢いでコロニー群や小惑星基地,月,地球の半分を制圧。

だが、ジオンに遅れながらも、連邦軍も極秘に開発したMSで巻き返しを計る。

 

 

同年12月。

開戦から間もなく一年が経とうとしていた。

勢力は逆転し、地球のジオンはほぼ壊滅。

宇宙でも拠点を尽く攻略され、ジオンの戦力は大幅に減退する。

この頃になると、ジオンの敗北は濃厚になっていた。

そんなとき、連邦軍が極秘に新型のMSを開発していることを察知する。

 

 

その新型のMSはニュータイプ専用の新型のガンダム。

連邦軍のニュータイプの少年、アムロ・レイ

そして、彼の駆るガンダム。

この一機のMSの登場によって、ジオンが劣勢になったといっても過言ではないほどだった。

それの新型が間もなくロールアウトされる!

その情報をキャッチしたジオンは、

月面のグラナダ基地からガンダムの奪取、若しくは撃破の命令を出す。

命令を受けたのは、特務部隊"サイクロプス隊"。

 

 

新型ガンダムがテストされていた連邦の北極基地。

そこへ静かに迫る、ジオンの潜水艦(U-99 ユーコン)の姿があった。

「目標地点まで5海里、サイクロプス隊、発進準備はよいか?」

「発進準備よし。」

「サイクロプス隊、発進!」

ユーコン底部のハッチが開き、4機の水陸両用MSが発進する。

ハイゴッグ3機と、隊長機のズゴックE(エクスペリメント)。

暗く冷たい北極海を突き進む。

 

 

ズゴックで先頭を進む、隊長のシュタイナー・ハーディが隊員に告げる。

「想定時刻より15分遅れている、全機、速度を30に上げる。」

くわえタバコをしながら続けるシュタイナー。

「上陸時刻、15:00変更なし。」

クシで髪を梳かして、ヘアスタイルを整える隊員のひとり。

アンディ・ストロース。

重要な作戦前に余裕のある行動だ。

アンディ以外にも、スキットルからウイスキーを飲むミハイル・カミンスキー(通称:ミーシャ)、

ポルノ写真をコックピットに貼り付けて、バンダナを締めるガブリエル・ラミレス・ガルシア

エキスパート揃いの特務部隊サイクロプス隊4人は、リラックスして作戦に臨んでいた。

 

 

北極基地手前で不自然な海底トンネルを発見したサイクロプス隊。

トンネルが基地内部に通じていると判断し、

隊長のシュタイナーとアンディは、そのトンネルへと進む。

ミーシャとガルシアはそのままジェットパックで上陸。

基地を急襲し、新型ガンダムを捜しながらも、迎撃に出たジムを次々に撃破してゆく。

だが地上にある格納庫や輸送機にそれらしきものは見当たらない。

 

 

シュタイナーとアンディが入ったトンネルは、やはり連邦基地に通じていた。

そのまま地下の基地内部へと侵入し、ジムを撃破しながら地上へと進む。

アンディが先行し、リフトで地上を目指す。

シュタイナーは後方で追撃してくるジムを食い止めつつ、アンディのハイゴッグを追っていた。

「アンディそっちの様子はどうだ?」

「リフトの出口に近付いています!」

「先を調べろ警戒を怠るな!」

「了解ッ!」

 

 

リフトを昇りきった、アンディのハイゴッグは眼前にシャトルを発見する。

「隊長!ヤツらシャトルを用意しています!ブツはコンテナに入っている模様!」

シャトルのエンジンは既に点火されており、ブースターからは煙があがっていた。

コンテナがリフトで積まれている最中だった。

アンディが送信したシャトルの画像を見て、シュタイナーが焦る。

「発射を阻止しろ!ロケット弾の使用を許可する!」

「了解!」

そういったアンディだったが、シャトルの脇にジムが一機。

アンディのハイゴッグに気付き、マシンガンを放ってきた。

 

 

ジムのマシンガンに阻まれ、ロケットランチャーが発射できない。

マシンガンを避けるため、リフト出口に身を潜める。

「ジムが護衛に付いています、動けません!このままじゃ逃げられます!!」

そうアンディが叫んでいる最中、とうとうコンテナの積載が完了し、シャトルのハッチが閉じられた。

「俺が援護する、しばらく待て!!」

リフトで上昇中のシュタイナーがアンディに待つように指示する。

「ヤツら秒読みに入っています! 間にあいません!強行します!!」

そういってスロットルを引き、ハイゴッグを表に出すアンディ。

「待て!アンディ!!」

シュタイナーの制止を無視し、ロケットランチャーを発射させようとする。

 

 

 

しかしジムのマシンガンをまともに食らい、うち一発がコクピットに当たり、

アンディは頭部を貫かれ即死する。

「ぐあああああぁぁ!!!」

アンディの断末魔が響き渡る。

「アンディィィィィ!!!」

シュタイナーが叫ぶ。

全身にマシンガンを浴びたハイゴッグは、後ろにゆっくりと倒れる。

真後ろにはシュタイナーのズゴックが到着していた・・・。

倒れたハイゴッグからロケットランチャーが暴発。

シュタイナーのズゴックをかすめて背後で爆発。

その反動で落下してゆく、シュタイナーとアンディのMS。

 

 

 

 

同時に爆音を上げて膨大な煙を吐きながら、シャトルが発射された。

新型ガンダムは宇宙へと飛び立った。

連邦の新型ガンダムの奪取・撃破の任務は失敗してしまった。

ミーシャとガルシアのハイゴッグも、任務失敗を悟り茫然とする。

戦闘が停止した北極基地。

煙を上げ、沈黙する撃破された連邦軍のジムの残骸。

そして、滴る鮮血。

変わり果てたアンディを抱きかかえ、雄たけびをあげるシュタイナー。

寒々とした北極の空に、それが響き渡る--。

 

 

 

アンディ・ストロース。

ポケットの中の戦争で、まだオープンングもかからない、

冒頭のシーンで真っ先に死んでしまう、不遇なキャラクター。

だが、このほんの5分ほどのサイクロプス隊の北極基地急襲シーンは強烈に印象に残る。

そのため、このアンディも、登場時間がわずかであっても、記憶に残っている人は多いと思う。

他作品と比較して、戦闘シーンが極端に少ないポケットの中の戦争で、

もっとも見応えのある戦闘シーンといっても過言ではない。

 

 

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争。

ガンダム生誕10周年を記念して、初めて作られたOVA作品。

これまで制作に携わって来た、原作者の富野由悠季氏が携わらなかった初めての作品でもあり、

ジオン側からの視点で物語が描かれた作品。

さらに主人公が民間人の少年という、新しい試み満載の作品。

一年戦争の末期を、アムロらホワイトベースから離れた、

ほんの短いエピソードを劇的に描いた素晴らしい作品。

メカニックのかっこよさ、キャラクターの魅力。

ガンダム作品が溢れ返った今となっては、本作はマイナーな作品になってしまったが、

本作をベストに上げるガンダムファンも少なくない。

自分はガンダム入門には、本作を薦めている。

ガンダムの世界観や専門用語を知らなくても楽しめるからだ。

 

 

アンディがやられた際、シュタイナーのズゴックは真後ろに居た。

強行せずにシュタイナーの到着を待っていれば、

もしかしたらシャトルを撃破できていたかもしれない。

アンディはシュタイナーがどこまで来ているのか判らず、

任務遂行のため、決死の覚悟でロケットランチャーを発射しようとした。

護衛のジムも、シャトル発射のブーストでやられたように見えた。

ジムのパイロットもまた、決死の覚悟でシャトルを守り抜いたのだろう。

 

 

最後のシュタイナーの雄たけびからも判るように、

アンディは仲間から信頼されていた、大切なメンバーだったのだろう。

アンディを失ったのち、サイクロプス隊は司令部に隊員の補充を要請。

そうして、新たにサイクロプス隊に配属されるのが、

ポケットの中の戦争の、もうひとりの主人公、バーナード・ワイズマン伍長(通称:バーニィ)。

 

 

 

そして、サイクロプス隊が撃ちもらした新型ガンダムは、

サイド6の中立コロニー、リボーへと運ばれる。

その港で、そこに住む少年アルフレッド・イズルハによって、たまたま撮影されたコンテナが、

北極基地から発射されたガンダムそのものであり、

それを、ひょんなことから手に入れてしまうバーニィ。

こうやって中立コロニーを舞台に移し、

少年の心に残る小さな戦争、"ポケットの中の戦争"の物語がスタートすることになる。

 

 

次回は、"敗走中に立ち寄った村が不運にもゲリラの村、部下の醜態でゲリラに襲撃される悲運な女隊長”。

 

 

トレカのアンディ・ストロース。

例のごとく、この記事のためだけにヤフオクで購入。 

 

 

SDガンダムガシャポン戦士のハイゴッグ。

左は隊長機のズゴックEと。

右は北極基地でやり合った、ジム寒冷地仕様と。

 

森永のガンダム総集編チョコスナックのハイゴッグ。

小さいながら、ハンドミサイルユニット展開中で、かなりデキの良いフィギュア。

 

SDガンダムカードダスのサイクロプス隊。

なぜかミーシャが隊長のような扱い。

ケンプファーのパイロットだから仕方がないか。

冒頭で死んでしまうアンディは幽霊扱い・・・。

 

SDガンダムカードダスのサイクロプス隊のカード。

ユーコンの艦長がシュタイナーになっていたり、

ズゴックEのパイロットがシュタイナーじゃなくミーシャになっていたり、

4機のうちシュタイナー機1機だけのはずのズゴックEが2機いたりとめちゃくちゃ。

 

SDガンダムカードダスのジム寒冷地仕様。

  

ガンダムカードダス パッケージコレクションのハイゴッグ。

ポケットの中の戦争のガンプラパッケージは超カッコイイ。

 

SDガンダム外伝では、聖機兵物語で、戦士ハイゴッグとして登場。

二機居るから、ミーシャ機とガルシア機。

 

円卓の騎士編には、モンスター ゴーゴンゴッグとして登場。

ただの"ゴッグ"表記だが、水色のカラーリングやデザインから、

おそらくハイゴッグがベースだと思われる。

 



3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (師子乃)
2020-05-17 19:36:14
一回見ましたけど、また見たくなってきましたね。
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クリスマス直前に観ましょう ()
2020-05-20 11:01:49
師子乃さんこんにちは、コメントありがとうございます。
 
ぜひもう一度鑑賞してください。
1話から6話までぶっ続けで。
 
そして号泣しましょう。
できればクリスマス直前に。
まだ半年以上先ですが・・・。
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こんばんは (師子乃)
2020-05-23 19:39:42
号泣するような映画、一度見てみたいので、また見ようと思います!
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