アルベルト・ジャコメッティ―本質を見つめる芸術家 [DVD] | |
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わたしは、芸術オタクなのであろうか?と思うくらい芸術作品が好きで、ついでに武内ヒロクニという芸術家の妻になってしまった人。
ちょっとした気分転換に映画(フランス映画)を見るが、必ず見つけたら借りてしまうのが、芸術家のドキュメント。
ヒロクニさんと何気なく軽い気持ちで見ていたが、途中から目が放せなくなって、2人とも真剣に見てしまいました。その後、お互い「息を呑んだ」。
美術館などで、ジャコメッティの細い裸体の彫刻は、目にしているはずなのだけれど、ある程度規模の大きい展覧会などで見たほうが良さが分かるのでは?と思いました。ジャコメッティには、マッチ箱にはいるくらいの小さい彫刻しか作れない時があったり、その時期を過ぎると、彫刻が縦に長く長くなってきたという過程や、独特のデッサンをいつもしている。描けないときも指で、目で。
そして、貧乏な時も、ある程度落ち着いた生活が出来るようになっても、水道も電気もないアトリエに住んでいた。子供の頃の生活環境は、18世紀さながらのイタリアに近いスイス。一家は、電気も水道もガスもない生活に何の不自由感じない。父も芸術家。兄弟も芸術家。
ジャコメッティの彫刻は、細い肢体だけでなく、「顔」というテーマもある。人物画も多く、彫刻と凄い共通点があって、制作している姿と絵を見ていると「本質」「ジャコメッティにとっての本質」が浮き彫りにされて、とてもワクワクして見た。
ヒロクニさんは、「ジャコメッティの知らない部分をこの映画は語ってくれて、勉強になるねぇ」。と言って、感心していた。「偉大な芸術家だ」「芸術は、偉大でなくては!」とハートが熱くなったらしい。確かに、見終わったら、勇気が出てくる。
ジャコメッティは、難しい人でもあるが、どことなく風体にユーモアを漂わせていて、とても優しい目をしている。
最所と最後に、ブレッソンが写した「コートを着ている、頭から着ている(ウルトラマンに出てくるジャミラのようになっている)姿で、建物を背にしている写真」があって、その写真がすべてを物語っているのかもしれないと思いました。
美術家の皆様、もし良ければ一見の価値ありですぞ!!
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