武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

飛行機(作品紹介605)と 画家とオブセッション

2021-05-19 14:15:23 | Weblog

この絵はマジックで描かれています。

束ねられていたマジックの絵が出てきたので、懐かしく思って見ています。

けっこう量があり、コツコツと描いていた証拠品のような感じがしました。

この絵は、たぶん飛行機で、「赤とんぼ」と言われていたタイプの形ではないかな?と。

「九三式中間練習機」ともいわれる日本の飛行機。

なんといっても、ヒロクニさんは戦中派なので、よく目にしたものなんでしょうね。

今飛んでいるジェット機ではない。

また、ヒロクニさんの絵には、「飛ぶ、翔る」というオブセッションがあり、

「空を飛んでいる」という感覚を描いたものも多くあります。

随分前の話で、明石にいた頃なのですが、

「昨日はね。サホリとずっーと空を飛んでいたんだ。

 山から山へ渡って行ってね。

 人って飛べるものなんだ。

 一緒に空を飛んでいたのだよ。」と、

話されたことがあります。

私は、「そんなことしてないけど・・・。」と思い、

それよりヒロクニさんの精神状態を心配した。

この時に、はじめて「オブセッション」という言葉がピッタリくると思ったのです。

「飛ぶ(翔る)」と名付けられた作品があり、ちょっと切迫感あって、

怖いような感じを受けます。

「オブセッション」というのは、妄想。 固定観念。 強迫観念という意味。

実際、ヒロクニさんはちょっと危うい精神状態だったように思う。

現実を生きる私としては、

とにかくご飯を食べてもらい、現実的な行動を重要視して、実際に出かけるとか、

買い物するとか、現実を生きるのだ!というノリに変え、実感を増やしていこうと。

文脈の分かり難い“精神科に入院して気が狂った人”が書いたフランス文学を読むのは禁止して、

読もうとしていたら、取り上げておいたりと工夫してみました。

ところが、そういう時に限って、そういう文章の本を選ぶようなのです。

「ちょっと、それ、読むのやめてくれる。」と言い、

取り上げて、チラッと文章をみて、

「これは、やめとけ!」と。

(偉そうなんですが、危機感を感じていたので、この物言いに・・・)

その甲斐あって、健康的になって行きました。

思うのですが、長い間だ、ちゃんと食事をとっていなかったのが、

一番の原因のように思いました。

そういう胃が小さくなるような生活を送っていたよう・・・。

安定してきたら、あとは自由にどうぞって感じになって、

今に至っています。

私の現実を生きる平凡な女性の部分が、生かされたのだと思っています。

どうも男性は、そうじゃないようで、ロマンを追いたい男性から、

時々、女性への苦言を聞かされる時があるのですが、

「しょうがないのでは?」と言います。

どういう分けか、エッって驚かれます。

オブセッションで絵を描いている画家で有名な方は、草間弥生氏。

水玉のオブセッションが凄い!そして、ちょっと怖い。

幽玄の世界に入り込む画家もいて、

こちらも幽玄と現実をうまく行ったり来たりしないといけない。

絵画や文学の面白さは、そんな所にもあると思いますが、

書く(描く)方は、大変です。

日本の作家では、「三島由紀夫」は、凄かったと個人的に思う。

今日は、硬派な内容の感じになりました。

ちょっと堅苦しかったでしょうか?

今日の絵は、健康的になってからの作品なので、安定感があると思います。

「飛ぶ」というタイトルでも、ほんわかしています。

 

庭では、苧環(おだまき)が咲きました。

↑苗をもらい、それを育てています。

後ろの細長く延びている部分が、王冠のようで美しいと思いました。

清々しい感じがします。

 

↑前から見ると。

いつも紫色の苧環ばかりだったので、この色が珍しく、嬉しい。

たぶん西洋苧環だと思っています。

 

↑こちらは、ゆずの木。

たくさん花を付けていて、とても甘い匂いがします。

受粉がうまくいっていると、たくさん成りそう。

白い花が緑によく映えています。

 

↑羽根布団の上が好きで、丸くなって寝ています。

起こしたくなります。

夜になると、いつも寝る体勢に入る規則正しい生活のピーなのです。

昼間は、かまってちゃんが激しく、やんちゃなんですが、

夜は、この体勢が続きます。

もう、ゆすっても起きない。

抱いてもダラ~ンとしていて、寝ています。

 

 

 

 

 



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4 コメント

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Unknown (ともりん)
2021-05-22 20:38:25
最初に見た印象は「難しい!」。この作品はどのように感じたらよいのだろうな、困ったなと思いながら読んでいきましたが、さほりんの解説を考えながら見ていたら「あ、飛行機が飛んでる」と感じました。
「飛んでる」と感じると、その周囲に描かれているものも違う見え方になってきました。飛行機が飛んでいる様子を、地上のヒトと風景が見ている表現なのかなと思いました。
不安と恐怖が混沌として、うずを巻いているように私は感じました。これで「ほんわか」だとすると、他の「飛ぶ」系の作品はどんなにものなのか、恐ろしいです。

ごはんを食べることは、とても大事だと思います。そして、精神状態が良くない人が書いた文章は読み手にもその精神状態が感染してしまうので、不安定なときは読まない方が良いと思います。
「これは、やめとけ!」ぐらいに強く言って大正解だと思います。さほりんがいなかったらヒロクニ先生がどのようになっていたのか、考えると怖いです。
芸術は、それを制作するヒトと作品の戦いで、現実を生きる人がそばにいないとヒトが作品に飲み込まれてしまうように感じました。

草間弥生の水玉がオブセッション、なるほど!と思うと同時に、「よくわからないけど、すごい水玉だな」ではなく、水玉がしっくりしてきたように感じます。でも、怖いですね。
三島由紀夫も似たような感じを受けます。文字のひとつひとつ、単語・文章のすべてに気というか執着を感じて、読後に強い疲労を感じます。
文章も言葉も美しいのに、その疲労感のために読むことを躊躇してしまう作家さんです。

苧環がきれいです。不思議な形の花です。なんでこんな形になったのだろう?と考えます。自然にはいつも驚かされます。
羽根布団で寝ているピピちゃん、ふかふかの布団にすっぽり沈み込むのは、とても気持ちが良いと思います。昼間にたくさん遊んで夜はぐっすり眠る、健康的な猫さんですね。ゆすっても起きないって、どれだけ熟睡しているのでしょう(笑)
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コメントありがとうございます。 (さほりん)
2021-05-24 07:59:46
飛行機もよく登場するので、私は形ですぐわかるのです。飛行機もよく絵に登場します。ロック喫茶をしていた時も「VOX飛行機堂」という店の名前を付けているので、飛行機にも思い入れがあるのだと思います。

怖い感じのする「飛ぶ」の絵は、まだブログで取り上げていないよう。その絵は、もう手元になく、写真を探したらあるかもしれません。1人の女性が羽根のようなものが付いていて、飛んでいる感じがする絵なのですが、人物の表情と赤く塗り込められた色鉛筆のタッチで、緊迫感がありすぎる絵なのです。
この危うい頃は、50代前半だったと思います。私も若い頃です。時々、挙動不審・・・。しかし、ある種のフランス文学の作者は、よく精神崩壊している方が多くいますね。私は、こういうのは、苦手ですが、ヒロクニさんは好きなのです。当時は、精神が不安定だとしたら、ともりんの言うように、感染してしまうと思ったのでしょうね。
私もはっきりと意識したわけではないけれど、非日常の世界に耽溺している人には、日常という現実も大切で、支えになっているのかもしれません。それもありきたりの変わり映えしない日常よ。(笑)

「三島由紀夫」は、難しいですよね。完璧主義で、ページをパッと見ただけで、使われている漢字の雰囲気で、三島ですもの。もう、美意識が・・・。だから私は、読み易いものからしか読んでいません!!(冷汗)

この苧環は、はじめて見る色合いだったのです。自然の作る形、色、ほんとうに不思議です。ピピちゃんは、私達が夕食を取っている時、少しおじゃこを上げるのですが、寝入ってしまって貰い忘れる時があって、そういう時2人で、「ピピ、寝ていてもらい損ねている~。」と言い合い、2人で笑っています。よく寝る猫ちゃんです。
コメント、いつもありがとう!!会ってお話しているような気持ちになります。
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Unknown (ともりん)
2021-05-27 23:11:59
以前ご紹介いただいた、野村監督の絵を思い出しました。コミカルでポップな感じが強調されている線で描かれているように感じます。
この肌を描いている色がすてきです。肌色、というには濃い色ですが、ジャイアント馬場さんの肌はこの色だ!と思ってしまうような色です。
「カンテ・グランデ」は知らなかったので、ググってみました。チャイのバリエーションが面白いです。
チャイもラッシーも、ネパールカレーのお店でカレーとセットになっている飲み物、という位置づけで口にしていました。
このようにチャイを前面に出して提供してくれるお店は行ったことがなく、興味深いです。そして、エスニックはとても好きなので、インテリアと設えもすてきで好みです。
うっそうとした緑は、見入ってしまいます。手入れを考えると大変……と、自分では躊躇してしまいますが、無秩序の中に自然の秩序の感覚がある風景が好きです。

ヒロクニ先生の作品を初めて拝見した「しあわせ食堂」で、「奥様のさほりさんが調理された実際の題材のメニューを見て食べて、ヒロクニ先生が作品を描かれる」という意味のことが書いてあったと記憶しています。
全然絵画のことを知らない私はそのやり方に関心すると同時に、「絵の元になる料理を実際に作ることが作品のスタートとは、奥様が重責を感じてしまうのでは……。そしてきっと『イメージと違う!』とか言われてしまうこともあるのだろうなあ」と思ったことを思い出しました。

「知らなくって生きていけるわよ!」は激しく同意です。興味がない人やことはは知らなくても、問題はないと思います。
意図的に、興味がない・嫌いな人の情報を集めることはありますが、それは自分の考えを違う視点から考えるめのものであり、一種の修行です。そんな修行は精神衛生上よろしくないので、常にするものではないと思います。

ナメクジ!そんな季節なのですね。ナメクジの食害はすごい、と聞いたことはありますが、こんなに食べてしまうとは……。切なくなってしまいます。
変わった花は、なんという名前の花なのでしょうか。初めて見ました。飴のいちごみるくみたいでかわいらしいです。ふんわりとして控えめな、小さな良い香りがしそうです。
ビオラの花びらは雨に溶けるのですか!知りませんでした。あの小さな花びらは、やはりデリケートなのですね。

私もいつもコメントを書くときには、さほりんとお話ししているな気持ちになります。知らないことを勉強させていただいたり、共感して応援したり、視点を変えたらこういう考え方もあるかも?などと、感想や伝えたいことがあふれてきます。
こちらこそ、いつもブログを書いていただき、ありがとうございます!
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Unknown (ともりん)
2021-05-27 23:15:14
申し訳ありません。
間違えて、「ジャイアント・馬場の絵(作品紹介606)と インド紅茶のカンテ・グランデ」へのコメントをこちらに投稿してしまいました。
同じ内容を本来の記事にも投稿しています。
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