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ぽつり、ぽつりと花が咲いてきて、我が家の庭には、雑草のようなニラの花が、毎年満開に咲きます。うすい紫の花です。この満開の瞬間は短く長くは続かない。だから、楽しみに今待っています。あと一週間くらいで花は青春を謳歌するのが如く咲き始めます。
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5日前から、ウグイスが来ています。この木の中の小枝をちょんちょんと飛び移りながら鳴いています。今年は、とても美声な綺麗な声の持ち主が来ているらしく惚れ惚れと聞き入ってしまう。昔話で、中国の王が、声の美しい鶯を手に入れる話があるが、それも頷ける。ということでテレコを外につるして録音しています。「ホー・ケキョ・ケキョ」「ホー・ホー・ケキョ」だったり「ホー・ホー・ホー・ケキョ・ケキョ・ケキョ」とホーとケキョをアレンジして聞かせてくれます。島田ギャラリーのウグイスさんに聞かしてあげたいなぁ。
もっと春に近づくと、庭にアゲハチョウが必ず二匹対で舞う。うららかな春の空気のなか、ヒラヒラと舞う蝶を見ていると、いつも「胡蝶の夢」という漢詩を思い出す。高校生の頃、漢文で習う漢詩だ。荘子が一寝入りした時に見た夢の話で、目が覚めると夢の中で胡蝶となった自分が現実なのか、目が覚めて現実にいる自分が現実なのか?さっぱり解らない。という有名な漢詩なんですが、わたしは、花咲く庭の中で揚羽蝶が2~4匹ヒラヒラと舞い夢のような景色をみると、わたしが、今見ている風景の他にもう一つの世界があるのではと「フッと思う。」もう一つの世界ねぇ~と、カントの影の世界を思い浮かべたりして、哲学の春となるのでした。
揚羽蝶は、大きなみかんの木があるのでそこで成長して大きくなったのがやたら飛んでるだけなんですが、心を動かすものがあるようだ。みかんの木に10センチぐらいの揚羽の幼虫がうようよいる。でも、揚羽蝶が飛ぶ姿は優雅です。うっとりとします。ヒロク二さんは庭の掃除に力を入れる時期で、アトリエと庭を行ったり来たりとコマネズミのように動いています。おじいさんは芝刈りへ、おばあさんは川へ洗濯へということかしら?