武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

独自の道を目指して(色鉛筆作品紹介555)と ルドンと象徴主義

2020-06-14 16:23:04 | Weblog

画面が2つに分かれていますが、1枚の絵です。

スキャナーでスキャンした画像を貼り合わせましたが、

色や大きさがうまく収まりません。

最近、ヒロクニさんの絵は、独特な絵が多くなり、

独自の絵画への道を歩み始めているように思います。

外へ求めるのではなく、内面から発酵させているものが、絵に出てくるということでしょうか?

ポワンと浮かんだようなひょうたん型の顔のようなものが、

非常に奇妙に思えてしかたがありません。

即物的な私は、「餅」「福笑い」という単語を思い浮かべ、

「これではいけない!もっと文章にロマンを!ヒロクニさんは、ロマンが大切なのよ!」

と思うが、うまくいかない。

 

ちょっと連想ゲームのようだけれど、

ちょっと近しい絵をとりあげます。

↑こちらの絵は、オディロン・ルドンの絵。

「キュクロープス」というタイトル。

意味は、一つ目の巨人。ギリシャ神話に出てくるそうで、

水辺の妖精、ガラテイアを描いたもの。

表情が優しそうなのが、印象にに残ります。

ルドンは、画家としてのデビューが40代と遅咲きの人でした。

印象派(ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、マチス、ルノアール、ドガ等)が全盛の頃、

木炭で描いた奇妙な絵を発表します。

「眼=気球」紙に木炭

↑この絵はとても有名で知っていると思いますが、

印象派の時代に、モノクロームの絵を発表したので、非常に驚かれたそうですが、

受け入れられるまでに歳月を要します。

植物学者との友好から、顕微鏡の世界に興味をもったルドンの世界は、

自然観察からの賜物のようです。

ちょっと愛嬌のある、怖いような絵もあります。

↑「蜘蛛」 石版画集『夜』より

この絵の蜘蛛の表情が可愛いくて、怖さの中にユーモラスを感じさせてくれる

ユニークな画家の1人だと思っています。

印象派ではなく、象徴主義の絵の先駆けの画家に。

そして、象徴主義は、シュールレアリズム運動へと繋がっていきます。

ルドンの後半は、パステル画が美しく、色彩に溢れた非常にすぐれた作品が多くなり、

初期の頃とまったく違う画風になります。

 

ルドンと武内ヒロクニの共通点は何か?

それは、読書傾向がとても近い。

「ジョリス=カルル・ユイスマンス」や、「シャルル・ボードレール」、「エドガー・アラン・ポー」の

小説を非常に好んでいたルドン。

ヒロクニさんも、この3者の小説は今でもよく読んでいます。

ユイスマンスの小説「さかしま」の話をされると、さっぱりわからなくて、

よく固まっていました。

呼吸の回数が、減っていって、気が遠くなり苦しくなるのです。

私は、フランス文学のモアモアした感じが苦手なのです。

 

 

現実を生きる私は、

↑仕切りなおしとして、糠漬けを新に1から作ってみました。

生の糠を使用してみることに。

生の山椒、かつお節、じゃこ、昆布、唐辛子を水であえて、

↑このように。

捨て野菜を入れてあります。

「糠漬けの糠を食べてみるといい」と、書いてあったので食べてみました。

先回のスーパーで買った糠漬けの素よりいい感じです。

 

↑庭は、青々としていている中に、オレンジのエキナセアが映えています。

 

 

 

 

 

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紫色の人型(色鉛筆作品紹介5... | トップ | 藤色の夕焼け(色鉛筆作品紹... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ともりんへ (さほりん)
2020-06-18 15:10:23
こんにちは。
この絵も不思議感覚なヒロクニさんの絵で、言葉では、表し辛く、ただただ見た時の感覚を追うことに負われます。
ヒロクニさんは、読書傾向や、普段の生活から、夢想家でもあるし、ロマンティストな感覚なのだと思っているけれど、私にないものなので、その感じをうまく表現できません。
やや、女性は現実的になる傾向が強い。男性がロマンを求めるなら、女性は、その現実生活を支える。と、いう事でうまくいっているのではないしょうか?(私のことですね。)

アニメの「もののけ姫」は、見てませんが、もともと人の心に、ルドンの書いたような世界があるのでしょうね。そんな風に思いました。
ルドンとヒロクニさんの読書傾向が、その資質をよく表しているなぁ~と書きながら、気が付きました。私もハッ!としていました。(笑)

よく知識がないと言う人がいますが、職業的に美術関係でない場合は、基本知識は、なくてもよいと思います。作品を見て、作品のここが好き、この作品は好きじゃないとか、そんな感想でもいいと私は思っていて、ただ自分の中で、「何故この絵のここが好きなんだろう?」とか、「何故、この絵は嫌いなんだろう?」とか、自分との対話をしながら、いろんな絵を見ていくのが良いと、いつも思っています。
私の説明で、何かに、気が付いてくれるなんて、ともりんが、心の中で探求していてくれているからだと思っています。

美味しいぬか漬けを食べたいという探求心は、心だけではだめで、実行しないとね!
「美」が付くことを探究する毎日かしら?
毎日、ヒロクニさんは、マイペースで、製作を実行しています。いつもありがとう。

返信する
Unknown (ともりん)
2020-06-16 22:40:03
空に浮かんでいるのか、地面に横たわっているのか、落下しているのか、飛んでいるのか、どこかへ進んでいるのか。
私がこの絵を見て感じたことです。
そのどれもがそう思えるし、違うようにも思えるし。
難しい絵ですが、中央の眼(?)と濃い青色に目が魅せられます。
そして、顔(?)を縁取っている山吹色が、輝いているように見えます。
ロマン、ロマンをもっと感じなければ!と私も自分に思ってしまいました。

ルドンのキュプロークスは、アニメ映画「もののけ姫」のデイダラボッチ(ダイダラボッチ)を思い出させます。
もちろん、ルドンに影響を受けたのは、もののけ姫の方ですが。

さほんりんに解説いただき、「はっ!今回のヒロクニ先生の絵は日本のキュプロークスに何か感覚のつながりがあるのかな?」と、初めて感じました。
解説をいただくと「はっ!」と思うことがとても多いです。
私は今まで、絵や造形などを観ることが好きでしたが、基本的な知識もなく、ただ漠然と自分がどう思うかだけで観てきました。
このブログで、さほりんとコメントのやり取りをさせていただいて、本当に「はっ!」と思うことと、
絵の感じ方に新しい感覚が突然出ることに、いつも驚きを感じています。

現実を生きる私……の切り返しに、思わず笑ってしまいました。
野菜と美しい花の庭、現実と芸術が混在していて、とても好きです。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事