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日記、日々の想い 

哀しみ、儚さは知らない

我ながら
図々しいな
哀しいだの
儚いだの
まったく、無縁だと思う
でも、図太くはない
哀しい、儚いが
遠くに感じた事はある
多少は
繊細な感性は
あるのだと思う
ただ、遠いんだよな
ばあちゃん
とうさん、かあさん
にいさんだって
わんこたちも
いざとなると
哀しみ、儚さは
遠くにあった
が〜んっ
耳鳴りか、頭痛か
が〜んっ
遠かった
遺骸と言うもの
本当に初めての
遺骸との出会いは
いつだったのか分からない
でも、覚えているのは
おじさんだったもの
打ち捨てられた
結核病棟からも
打ち捨てられた
掘立て小屋の霊安所
暗がりに一本の蝋燭
いのちの喪われた骸は
遠いおじさん笑顔
哀しみ、儚さは
遥か、そこにあった
目の前のぼんやりと浮かぶ
白布に包まれたものは
ただ、おぞましい
ただ、恐怖だった
それからだと思う
骸は、見せられるけど
拝めと強制されて
もちろん、拝むけど
こころは遠い
いや、こころが
おまえだから
骸が遠い
が〜んっとして
遠目に、見てるだけ
そんな風だ
何もかもの
哀しみや儚さを
遠ざける術を
あの最初から
身につけられたのか
だから、図太くはない
でも、哀しい、儚い
そんな言葉を使うのは
確かに、図々しい
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