屋根がある
床もある
壁もある
どうってことないけど
すっかり、安心している
そんなおまえ
きっと、大地震で
今度ば倒壊だな
いや、台風で
屋根が吹き飛ばされるかも
何しろ、あの巨大地震で
かなり、傷んでいる筈
そんな不安は
揺れる度に、いつもある
不安の先には
現実があるかも知れない
このあばらやは
いずれ倒壊する
凄い、近所迷惑だろうね
そんな事を
繰り返し、考えたりする
考えたりして
不安は、増殖
それで、もちろん
布団に潜る
何故かと言うと
布団に、守られるから
あばらや
屋根に床に壁に
いつか、倒壊するか
いつか、吹き飛ばされるか
分からない、あばらや
でも、おまえには
掛け替えがない
代わりがない
そう思っているのかな
終の住処
倒壊しても、吹き飛ばされても
おまえには
このあばらやしかない
いや、それでいい
このあばらやがある
最期は、一緒
それでも良い…