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日記、日々の想い 

他人と、違うと言うこと

おまえは、幼い頃から
手先が、不器用だった
左利きを、右利きに
無理矢理、矯正された
そんな時代のせいもあったと
おとなに、なってからは
そう、思うようになって
少しは、自己救済出来たけど
子どものおまえには
そんなことは
まったく、分からない
世の中の、何もかもが
右利き用に、出来ていたから
子どものおまえは
そのことに、戸惑い
ただただ、上手く出来ない
その結果にだけ
苦しめられていた
そのことに、逆らう
そんなちからも、知恵も
ただ、幼かったおまえには
あるはずもなかった
そうだったはずだ
だから、人並みに出来ない
そのことは、すべて
おまえ自身の
不器用のせいだとして
せいだとなって
劣っていると言う
その感覚は
こころに、纏わりついた
纏わり続けた
例えば、字を書くことも
無理矢理に、直されて
利かない右手で
書かされたから
上手く書けるはずもない
或いは、書き順だって
右利き用に出来ている
その通りにしろと言う
しなかったけどね
書き順と、自分勝手の
せめぎ合いの中で
書いているのだから
余計に、字が下手で
書くのも遅いし
書き上がりも、汚くなる
そうして、他人に
同情されたり、揶揄もされる
そんなだから
おまえは、自分が
更に、余計に
ただ、劣っていると
情けなくなるだけだった
道具だって、そうだ
例えば、ハサミだ
右利き用に、出来ている
だから、工作も下手だった
でも、左利き用もあったら
そうして、それで
熟練出来ていたら
本当に、不器用だったのか
いや、そうじゃなかった
そうじゃないのか
そんな風に、思える
でも、今の時代は
左利き用の道具も
きっと、増えているし
また、少数を尊重して
差異を、受け入れる
そんなプロパガンダもある
そんな時代になったから
だから、きっと
問題は、あまり
ないのかも知れない
だんだん、そう言う時代には
なったんだとは思う
ただ、おまえの抱えていた
その時代での、他人との
一見、目立たない差異は
これからの時代も
様々に、かたちを変えて
あれこれと、生まれる
そんな気もする
そして、その差異を
すべて社会が、他者が
平等に受け入れる
受け入れ切れる
そうとも、思えない
そして、その差異を
抱えない人々には
理解されることもなく
差異を抱えている
幼い子どもたちに
結構、痛い傷を
残し続けるのかも知れない
いや、でも
そんな差異は
誰にでもあるもので
きっと、誰もが
痛い傷を、抱えている
今のおまえは
そんな風にも
思えるようにもなった
そして、そのことに
気づけたと言うことが
気づかれにくい
そんな差異の傷を
抱えている他者に対して
少しは優しくなれた
今のおまえは
そう、思えている
それは、きっと
おまえは、左利きで
不器用だと言う
こころの傷を
抱えて、生きてきて
その自分を、大切に
慈しんできたから
なのかも知れない
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