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日記、日々の想い 

こいぬを、抱き上げていた…

おまえは、やっぱり
たいがいな、社会不適合
それは、多分生まれつき
だから、中途入園の
幼稚園にも、馴染めなかったし
小学校でも、散々苦しんだ
なんとか、それでも
少しは、友だちも
出来るようになって
帰り道も、友だちと帰る
やっと、そんな風になった
そんな頃だっただろうか
でも、おまえの実家は
たいがいな、学区のはずれ
だから、いつも
途中からは、おまえだけ
おまえ、ひとり
海岸の新興住宅地には
まだ、空き地も
いっぱいあった
背高泡立ち草が
今より、ずっと繁茂していた
そんな時代には
空き地は、子どもを呑み込む
草の森だったりした
なんだか、心許ない
そんな空き地には
たいがい、野犬の群れ
襲われたら、どうしようか
でも,時には
そんな帰り道には
道端で,消えそうな泣き声
捨てられたこいぬ
やがて、野犬になるのかな
でも、こいぬは
まだ、野犬じゃない
酷いひとに捨てられた子
ひとりぼっち
おまえとおんなじだった
だから、だと思う
ある時、おまえは
おまえを見上げて
悲しげに見つめて
きゅんっ、きゅんっ
泣いているこいぬ
逃げようとしたけど
追って来たこいぬ
思わず、抱き上げていた
あったかい
おまえは、ひとり
こいぬも、ひとり
だから、ふたりに
なりたかったんだと思う
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