例えば、うずくまっていても
横たわっていても
止まらないな、と思う
おまえは、時間に
流されている
流れて来て
流れていて
流れて行く
いや、ただ
流されている
そんな風に、思った時
例えば、夜中の
寝室で、寝そべるおまえ
まだ、明かりは消さない
消そうかな、と思って
時の流れを、思いながら
照明を見つめている
ふと、思う
おまえは、こうして
確かに、寝そべっていて
でも、確かに
おまえに、時は流れ
おまえは、止まれない
いや、止まれない
そう思っていた
でも、どうかな
そうじゃない、おまえ
こうして、思っていて
でも、一瞬もない一瞬
いや一瞬でもない
そんな、おまえが
あるように、思えた
ストップモーション
一瞬と一瞬
その狭間なのか
ストップモーション
前の一瞬でもなく
次の一瞬でもない
前の一瞬には戻れない
次の一瞬には辿り着いていない
そんなおまえ
時の厚みのないおまえ
そんなおまえがあって
あらゆる彼方で
あらゆる手前で
時の厚みを纏わないおまえ
厚みのないおまえは
ぺらぺらとめくられて
ぺらぺらと積み重なり
いや、はらはらと消えて
いつも厚みのないおまえ
ストップモーション
めくられたら、消える
でも、次
ストップモーション
一瞬もなく、消える
消えて、そのまま
それが、最後かな…