やっぱり、春は良いな
凄く、良い
凍えて、縮こまっていた
冬の寒さから
解き放たれる
おまえ
でも、夏みたいに
茹だることもないし
寝苦しさに
寝返りを、繰り返す
そんなことも、ないよね
肌寒さも、残るけど
昼間は、ただ心地よい
夜中にも、ぐっすりと
安らぎの眠りだ
でも、なんでだろう
この、放り出した脚の
爪先の冷たさは
芯まで、凍って
永遠に、溶けそうもない
そうだな、それは
春が、こうして
やって来たとしても
おまえ、おまえ自身の
春は、とうの昔
遥か彼方で
二度と
訪れることなど
ないからかな…