ふと、いのちを覚える

一回じゃなかった
随分、年中だ
おまえの昔の実家
ごろごろする居間には
ふと、気づくと
ありんこがいた
ただ、もう遅い
刺された後だ
痛い、痛みが刺さるようだ
蚊に刺されて
しつこく痒いのも
嫌いだったけど
蟻に刺された痛みは
格別だった
痛みが根深い
痛みが長引く
まったくな
あたまに来るよな
こんなちっぽけな蟻如きが
生意気に、おまえを刺す
ぷっくり、晴れている
ふざけんな
おまえの目の前を
ちょろちょろと、通り過ぎる
こいつだよな
絶対、許さない
憤怒で、起き上がるおまえ
らんらんの憎しみ
舐めんなよ
ひとつまみだよ
ひとつつまみじゃ済まない
ぎゅっと、潰す
あんこが出るまで潰す
頭も、身体も
脚もみんな
潰して、一塊り
いのち、まるまる
捻り潰してやる
やった…
そうだな、そんな時
ひねり潰されて
いのちの跡形もない
ただの塊

おまえも、こんな風になる

これは、おまえ
おまえを、見つめていた…

ちっちゃいっいのち - 日記、日々の想い　

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