しろが、我が家に来た時
昔捨てたこいぬのことを思って
大切に、したいなと思った
家族みんなで、わいがやだから
しろは、大切にされる
そうは、決まってたけど
でも、あのこいぬを捨てた
おまえが、そうだったみたいに
ひとの社会では
いぬのいのちは
凄く、粗末にされる
おまえが、粗末にした
そんな風にね
昔捨てたこいぬのことを思って
大切に、したいなと思った
家族みんなで、わいがやだから
しろは、大切にされる
そうは、決まってたけど
でも、あのこいぬを捨てた
おまえが、そうだったみたいに
ひとの社会では
いぬのいのちは
凄く、粗末にされる
おまえが、粗末にした
そんな風にね
だから、しろのいのちは
きっと、ひとの世の中では
凄く、いたいけだと思った
おまえは、正直
どんないのちも
おんなじだとは、思えなくて
そんな程度の人間
でも、凄く不安そうだけど
ぺろぺろは、してくれる
しろは、しろのいのちは
おまえのいのちと
おんなじに、思えた
しろは、知らない家に来て
凄く、怖いんだろうな
それは、分かった
でも、こうして
なんとか、馴染もうとしている
捨てた、あのこいぬ
或いは、幼い頃のおまえ
その不安、怯え
必死な気持ちは
まるで、おまえで
このいのちは
どうしても、守ると
そんな風に思えた
…でも、そうだな
いぬいのちは、短い
いくら守っても
おまえと、同じ時間は
生きられない
それは、分かっていた
目の前で、はしゃぐこいぬ
そんなことは、あり得ないけど
いや、そう思えるけど
いぬ、いのちは短い
おまえより、ずっと短い
こいぬのしろ
じゃれているしろ
そんなことを思う筈がない
でも、こころの澱
いぬのいのちは、短い…