突然いなくなっていた
やっと、ものごころが
ついた程度のおまえ
不思議だったけど
何とも、思うはずもない
猫には詳しくない
茶とらと言うんだろうか
可愛いくて
追いかけ回していた記憶
何でいなくなったか
聞いた記憶はない
だから、と言って
聞かなかったか、と言えば
多分、違うな
聞いて、誤魔化された
のかも知れない
そう言えば
かあさんの実家に
帰ったと言われた
そんな気もする
でも、かあさんの実家には
その後、結構行って
ねこがいっぱいいる家
でも、茶とらは見なかった
三毛は、いたけど
茶とらは、いなかった
何にも、聞かなかった
気には、なっていたけど
聞かなかったと思う
たまは、どうなったんだろうか
伯父さんも、伯母さんも
みんな、とっく
もちろん、かあさんも
それなのに
高齢者になって
今更、思いを返す
いぬたちを思い出していて
そうか、そう言えば
おまえの最初は
ねこだったな、と
そして、かあさんが
お嫁入りの時に
実家から連れて来たたま
当たり前だよね
末っ子のおまえが
ものごごろついた頃には
たいがいな老ねこ
寿命だったのかも知れない
おまえには、本当は
下の子もいるらしい
今考えれば、あの不思議
とうさんは、まだ二代目
なのに、墓地には
じいちゃん、叔父さん以外に
いくつもの小さなお墓
あれは、おまえのおとうと❓
いや、いもうとか❓
そして、一番小さいお墓
あれは、きっとたま
そう思ってみる
少し、気持ちが温かい…