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日記、日々の想い 

昭和30年代、野犬の群れ

首都圏では、外れ
ただ、古くからの宿場町
海軍火薬廠もあった
だから、それなりの地方都市
その旧市街で生まれて
ただ、おまえの学齢の前に
一家は
海辺の新興住宅地に
新築をして、引っ越した
旧市街の住宅地にも
空き地はあって
野犬はいたような気がする
ただ、群れと言う程ではない
ただ、海辺の新興住宅地には
空き地がいっぱい
それは、学区の外れからの
長い通学路にも
散在していた
そして、空き地は
春から秋に掛けて
背高泡立草が密生する
ジャングルになる
そして、そのジャングルは
野犬たちの住処だった記憶
あやふやだけどね
雑草の密林の
草陰から見える、しっぽ
だいたい、群れだった
吠えたりもしないし
通学路を歩いている分には
襲われる事もない
ただ、狂犬病の恐怖も
今より、ずっとあった時代
いつも、怖々
ジャングルを窺いながら
帰った記憶
まあ、朝には
いつも、遅刻確定で
言い訳を考えながら
走っていたから
そんな余裕はなかったけどね
それにしても
昭和40年代以降は
あっと言う間
空き地には、家が建ち並び
野犬の群れは消えた
独立して以降にも
引っ越した先は
どこも、空き地の残る
新興住宅地ばかり
それでも、空き地には
群れどころか
野犬は、一匹も
見掛けた記憶がない
今でも、場所によれば
野犬は、いるらしい
ただおまえは
多分、何十年も
見た事が無い
だんだん、住宅地には
飼い犬も、減って来て
猫ばかり
今は、それが
少し寂しい

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