架空のお話だ
ハチの話みたいに
実話ではない
モデルのある
そんな話でも、ないようだ
ただ、自分の見た
テレビドラマなどとは
随分と、違うお話だ
どっちかと言えば
やはり、ハチの話などに近い
ちょっと、悲しいお話だ
イングランドの
ヨークシャーに住む
幼い少年とその愛犬
気高く、美しい
ラフ・コリーのラッシー
ラッシーは、牝犬で
名前の意味は
「お嬢さん」って
そんな可愛い、意味らしい
美しい牝犬には
相応しい名前だね
ただ、少年の家は
凄く、貧しかった
だから、ラッシーを
手放さなくては
ならなくなってしまったんだ
相手は、お金持ちの貴族だ
ラフ・コリーは
当時、とても高価な犬で
お金持ちしか
買えない犬だったんだ
それで、少年とラッシーは
悲しいお別れをして
ラッシーは、遥か遠く
貰われて行ったんだ
そこは、貴族の領地で
何百マイルも離れた
スコットランドだった
でも、ラッシーのご主人は
やっぱり、少年ひとりだよね
だから、ラッシーは
勇気を、出して
貴族の館を、逃げ出して
遥か彼方の
少年の元に戻る為に
長く、苦しい旅をする
たったひとりでね
それで、この物語は
その、苦難の道のりの
お話なんだ
だから、あんまり
明るい話じゃない
原作者は英国系の
アメリカ人作家だ
原作の短編の数編が
１９３８年に
新聞に、発表されて
評判になって
二年後には
単行本になった
更に、大人気になった
１９４３年には
映画化も、される
それも、大人気だ
続編も、何作か作られる
そして、戦後
１９５４年になって
新しいストーリーで
連続テレビドラマに
なったんだと言う
子どもの自分は
そのドラマを、見た
ドラマは、世界中で
大人気になった
それで、１９７３年迄
１９シーズンも、作られた
だから、ラッシーは
実在は、しないけど
世界でも、最も有名な
犬の一頭に、なったんだ
ずっと後のことだから
自分は、知らないけど
日本では、アニメも
作られたらしい
とにかく、自分の子ども時代は
そのテレビドラマが
大人気だった時代だから
日本にも、輸入されて
ラッシー、ラフコリーが
自分たちのような
日本の子どもたちにも
憧れの犬に
なっていたんだと思う
fin
