その自覚の始まり
あの嗚咽の止まらなかった
夕暮れの土手道
おまえは、ろくでなし
それを思い知った
結局、そこへ行き着く
行く着くけど
本当には
あんな罪は
いくらでも、犯した
そうなんだよね
塀の内側には
臆病、小心のおかげ
堕ちる事はなかった
だけど、そうなんだ
いくらでも
あんな罪は犯した
あゝして、あそこで
大泣きして
おまえが、罪人で
生まれながらの罪人で
罪を犯すと言うことを
思い知って
開き直ったのかも知れない
あれからは、いくらでも
仕方がないで
捕まらなければ、いいで
罪を犯し放題
だって、仕方がないよ
お互い様だから
他人も、みんな
罪人だらけ
やるか、やられるか
そんなだろうか
でも、違うな
あの子は
捨てられたこいぬで
ただ、おまえに
縋ってくれただけ
罪は、おまえだけにあった
そんな事も
いっぱいあったか
例え他人でも
何にも、悪くない他人を
おまえは、傷つけた
あの子を捨てた
あの夕暮れの土手道
涙の枯れたおまえ
きっと、少し
図々しく
なり始めたのだろう
だから、だな
痛みを思い返して
あの時に、行き着くのは…