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日記、日々の想い 

ささくれ、みかん

ささくれが、嫌いだった
身体が弱かった
子どものおまえは
取り分け、手指が
よく荒れた
年中、ささくれも出来た
おまえは、みかんも
そんなに好きでは、なかった
同じ酸っぱいでも
りんごより、沁みる酸っぱさ
でも、冬になれば
りんごか、みかんだから
食べない訳じゃない
でも、食べると
あんまり、酸っぱ過ぎるから
いつも、口を窄めて
目を瞑ってしまう
それと、食べる時は
房の薄皮は、剥かない
剥くと、汁が弾けて
ささくれが、沁みる
ささくれは、たいてい
神経の芯まで、沁みる
突き刺さる痛みだ
やなんだよね、みかん
指には、ささくれだらけ
でも、こたつの上
食卓の上には
竹籠にみかん
みかんの山
蛍光灯の少し濁った光
みかん色の、みかんの山
部屋には、おまえ一人
秋の早い黄昏時
雨戸は、閉めた
目の前に、拡げられた
大学ノート
詩擬きを、書き終わっていた
仕方がないよね
この皮だな
外皮を剥く時にも
汁は、弾けて
ささくれに、突き刺さる
仕方がないよね
目の前には
みかんだから
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