今回の事業認定の取り消しは、放送法の外資規制に違反していた東北新社が、事実を隠し、認定申請した不正に対する措置だ。だから、当然ではある。しかし、東北新社のこの事態に対する反応は、まだ分からないが、先行した接待疑惑では、菅総理の長男を含めて、それなりの社内処分は、実施している。対して、ゴチになった側の総務省の幹部官僚の処分は、随分と甘く思える。その状態で、認定時期に行政が歪められた事実がなかったのか、満足な調査も解明も、もちろん認定に関わった官僚の処分も行われずに、いきなり、事業認定の取り消しだけ行うとは!それだけでも、呆れてしまう。
そこに、NTTの接待疑惑に対する、文春砲の炸裂があった。この問題では、東北新社関連の同様な事案では、甘い処分しか受けなかった菅総理お気に入りとされる審議官が、更迭された。疑惑が重なったからとも思えたが、こう言う話になってくると、何か怪しい。色々と、トカゲの尻尾切りをしているのかな、と。
だいたい、菅総理就任以来、携帯料金の適正化を推進する政策を、内閣最大の目玉のように発表後、抜け駆け的に、NTTが、いち早く値下げを発表したことに、違和感があった。NTT利用者ではないし、今後とも利用する気のない自分からすると、半分どうでも良いことなのだが、政権との距離感の無さに、不公正さを疑ってしまった。そこに、今回の接待疑惑だ。ああ、そう言うことだったか、と思った。携帯料金の値下げ自体は、有り難いし、歓迎する。しかし、その裏に、公正な企業間競争を阻害するような、官と民の後ろ暗い癒着などが潜んでいるなら、結局、後々、我々利用者に、不利益が戻ってくる筈だ。業界首位で、国の資本も入る半官企業のNTTが、業界を、独占的に支配するようになるとか。
まず、菅総理と社長は、特別に親しいようだ。そして、その接待疑惑の規模も、自民党の有力女性議員二人の、元総務大臣時代の疑惑も含んでいて、東北新社の疑惑より遥かに大きい。まず、両社の企業規模もまったく違い、NTTは、政府も経営に関わっているから、疑惑が追及されていくとなると、政権に与える影響は、桁違いに大きいのかも知れない。審議官が、更迭されたのも、社長と親しい総理に累が及ばない為だったのではないか、とか。東北新社を叩いて、目隠して、NTT問題を隠蔽しようとしているのではないか、とか。
本当に、あれこれと、疑ってしまって。何だかなぁ…、としか思えない。長期政権は、安心、安定は、あったように感じてしまっていたのだが。こんなに、裏は、どろどろに腐っていたんだな、と。幻滅しかない。まあ、NTTを、今後とも利用しないことと、政権退場の意思表示を、僅かな一票に込めることだけは、するつもりだ。