思春期でさえ
癖になる味はあった
故郷の地元のタンメンのお店
いかにも、場末な雰囲気
おやじさんが
ひとりでやっている
学校の通学路に近いから
前から、知っていたけど
初めて行ったのは
中三位で、友だちとかな❓
記憶は、はっきりしない
カウンターに数席
テーブル4人掛けが一つ
メニューは、ひとつだけ
塩味のタンメンで
具は、微塵に刻んだネギだけ
それも、多くはない
胡椒とお酢と辣油が置いてある
もちろん、味覚ど底辺のおまえ
その更に、ど底辺な思春期
みんな、たっぷり入れた
特に、お酢はね
でないと、損した気分
それにしても、何だかね
確かに、安いけどさ
ネギしか乗ってないって
どんだけ、チープだよ💢
そう、思って
もちろん…癖になった😍
確かに、場末感と具なし
メニューも他になし
不味い…筈なのに
高校生で
更に、拗れた引きこもりが
ひとりで、時々
どうしても、行きたい
人見知りを乗り越えて
味覚ど底辺なおまえだから
理由は、分からないけど
きっと、麺とスープ❓
今は、思い出せないけど
そうだったんだと思う
それから、予備校、大学と
都内に出て、行かなくなり
ところが、何と
そのお店が
実家から歩いて数分の
戦前の鉄道大臣の
巨大な別荘
それを、まるまる買い取った
信じられない位
大きくなった訳だ
それは、暫くして
無くなったけど
今でも、故郷では
かなり有名な
少なくとも、場末感はない
そんなお店で
有名店らしい
もちろん、思春期を卒業してから
二度と行った事も無いから
今は、どんなお店なのか
どんな味なのか
まったく知らない…