意識は、あった
あの大怪我の時
500kgのドラム缶が
右脚下腿を
直撃したあの時
まあ、ドラム缶は
そのままではなくて
転がってくれた
だから、この歳になって
後遺症❓に
苦しめられている
とは言え
この足は、付いている
鈍い痛みは、ずっと
ただ、痛み
どんどん、酷くなるけど
付いて回った記憶は
薄れて行く
明瞭な記憶だったのに
どうでも良いような事でも
時々、思い出すのに
あの事故は、もう遠い
よく思い出せない
半年の入院生活も
遥か彼方
記憶は、断片
ただ、久しぶりに
思い出してみる
ドラム缶に直撃されて
作業場の床に倒れて
とにかく、助けを
おまえにしては、必死
皆が、来てくれて
ただ、中空の作業場
狭い鉄製階段は
担架も無理
救急車が到着してから
応急処置
気は遠くなったけど
失わなかった
ビニールの空気パック❓
止血用の応急具を
装着してくれた
それで、血溜まりから
上半身と下半身と
左右それぞれ
抱えられて
隊員の指示で
ひとりが降りるのが、やっと
そんな中空の鉄製階段を
四人が重なるなように
運び下ろしてくれた
ただ、それまでは
痺れた中で、激痛
それがあの階段下ろしでは
耐え難い、痛みに
次の記憶の断片は
酸素マスクで、喘ぎ
励ます、隊員さんの声
サイレンの唸り
気を失わないように
必死で見つめていた
救急車の天井…