いぬは、飼い主次第だね

まあ、あのボーダーコリーが
我が家の地縛霊２匹より
賢くなかったなんて
言うつもりは、ないよ
だって、我が家の二匹は
とてもじゃないけど
賢いなんて、思えないからね
おまけに、性格だって
我が家の二匹も
やっぱり、腹は
真っ黒、黒の黒だった
ただ、その性格が悪いのも
虐待を受けたとかじゃない
多分、甘やかされ過ぎだったから
なので、少なくても
しろも、ちびも
不幸では、なかったはず
そう思っている
でも、犬の中でも
いちばん賢い牧羊犬
そう言われてる
ボーダーコリーが
あんな風になっちゃってるって
いぬの本当の気持ちなんて
分かるなんて言えないけど
あのボーダーコリーの
あの階段の側壁の上から
睨みつけてきた
あの眼の宿した、狂気には
いぬが、あんな風に
狂うって、なんなんだろう、と
正直、背筋が、寒くなった
どんな飼われ方をしたら
あんな風になるんだろう
そう思えてしまった
やっぱり、飼い主次第だよね
いぬは、みんな
ひとと、いぬは
ともに、生きているんだから
ひとが、不幸だったら
いぬも、不幸になるかも知れない
いやでも、いぬは
ひとが、不幸になりそうでも
寄り添ってくれるから
必ず、ひとといぬで
支え合っていて
お互い、不幸にはならない
そんな気がする
或いは、不幸を
ひとといぬで
ともに、乗り越えられる
そうとも、言える
まあ、確かにね
我が家の、地縛霊みたいに
一方的に
ひとを、盾にするとか
利用するだけとか
いざとなったら、飼い主など
放り出して、逃げ出しそうとか
そう言ういぬも
少なくとも、我が家にはいた
でも、あのボーダーコリーは
ちょっと、違う
とても、苛烈な環境にいて
その中で、ああして
狂気を孕んだ
そんな犬に、なってしまった
そう思えた
やっぱり、犬は
みんな、ひとの社会で
一緒に、生きている
だからこそ
そのひとの社会では
主導権のあるひとが
いぬと一緒に暮らしていける
その程度には
しっかりと、暮らしている
そうではなければ
いぬを飼う資格はない
そう言うことだと思った