大きな座卓がひとつ
家族6人の顔
ぼんやりと浮かぶ
1本の蝋燭の灯
荒れ狂う暴風雨は
木の雨戸、ガラス戸
二重の建て付けをすり抜け
夜の闇に
生暖かい風の気配
おまえの頬を
微かに過ぎる
案の定だった
嵐の夜
家族の不安そうな顔
おまえ以外はね
おとなたちと
にいさん、ねえさん
すき間に混じるおまえは
内心、ざわめいている
みんなの不安が
おまえの好奇心を
掻き立てていて
蝋燭を囲む家族
その不安な気持ちの
寄り添い合う温もりが
おまえを柔らかく包む
不安と興奮
おまえも、さすがに
抑えている
家族の気持ちを
ひとり、ひとり
覗き込んでいた
みんな、一緒
不安と興奮
そして、温もり
幼かった、嵐の夜
その思い出…