たいがいの大雨の日
いつも、悪戦苦闘していた
風に煽られる、傘
もちろん、カッパも着ている
でも、煽られた挙げ句
傘が裏返ったら
俯いたフードも
めくり上げられて
あたまに、土砂降り
びしょ濡れ
あ〜あっ、まただよ
家迄、まだ随分だ
そのびしょ濡れのまま
フードを被り直して
必死で歩いても
一度、びしょ濡れになれば
フードなんて
意味がない
中は、ぐっしょりのまま
でも、フードを脱げば
ますます、びしょ濡れ
そんな時も、あっただろうか
いつも、必死だった
そんなに、なりたくない
傘をしっかり抱えて
カッパで身を屈めて
真っ直ぐに、でも俯いて
雨に向かって歩いた
いや、後ろ向きの時もある
少し、楽だけど
しっかりと傘を肩に掛けて
煽られないように
身を屈めていた
でも、どうしても
雨粒は、傘の中に
吹き込んで来て
傘の柄を、滴り落ちてくる
冬は、凍えるけど
真夏の夕立ちも
あっという間
柄を握りしめた手のひら
びっしょりと濡れる
いつも、いつも
あっという間
びっしょり
俯いたおまえは
ふと、気づく
上っているよ、雨
薄日が、おまえを包む
もう、大丈夫
傘を、畳んで
振り仰ぐ、空
まだ、少し雨粒
細かい、雨粒
霧のような雨粒
さっき迄、おまえは
大粒の雨に叩かれて
もう、びっしょり
でも、それでも
ほんの僅かな、降り残り
立ち止まり
降り仰いだまま
その降り注ぐ雨粒
しっとりと浴びていた