だから、宗教とか
まったく、信じない
考えもしない
科学だって、意外と
心理学だの
精神分析学だの
そんなものは、それなり
半分、どうでも良いかも
何でかって、そんなだから
おまえは、いつも
おまえを、覗いているかな
なんとなくね
でも、おまえは
おまえを、掴めないな
おまえが、ふわふわだから
固体じゃないから
いや、固体ってなんだよ
確かに、この手のひらは
つねると痛くて
おまえも、痛いと感じて
おまえが、痛いんだって
そう思い込んでいる
でも、そうなんだろうか
この手のひらは
確かにつねられていて
痛いと言う知覚神経があって
そのまま、神経は伝わって
脳が、それを感じて
脳と一体みたいな
おまえは、痛いと
確かに、思っているようだ
でも、なんだかなあ
おまえは、脳と一体みたいで
浮いて思えるな
ふわふわ、ふわふわふわ
なんか、違うな
なんか、別だな
おまえは、そう思う
思っていることを
思っている
思っていることじゃない
こととかじゃない、進行形
思っている
進行形だから
おまえにとっては
たましい、とか
こころ、とか
気持ちとか
思うことですらない
思っている
ふわふわ、ふわふわふわ
頼りない、危ういな
危うい、すぐ消えそう
きっと、すぐ消える
儚いな
儚いが止め処ないな
そうだよ、つねられた手のひら
痛いとした神経
そんな思っている
それを浮かべる、脳
みんな細胞だもんな
やがて、素粒子な細胞
みんな、それぞれ
おまえとは、あかの他人
おまえは、儚いけど
細胞の皆さんは
そこまで、儚くないな
素粒子になり果てても
また、やがて違うもの
いや、細胞だったり
宇宙ほどの寿命じゃない
そうなのかも、だけど
儚いおまえとは、違うな
じっと、手を見るって
そんなうたが、あったよな
そう言われてもね
こうして、視界に映る
この手のひらは
おまえじゃないからな
視界を、映している
この視神経も
感じている脳も
ちっとも、おまえじゃなくて
ただ、ぶん投げられて
思わされている
思っている
たましいじゃない
思っている
きっと、儚い
儚いですらない
ふわふわ、ふわふわふわ
思っている…
