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日記、日々の想い 

おとうさんは、こいぬを…

おとうさんは、まあ
少年の頃に、こいぬを
拾ったかも知れない
家に、連れて帰って
飼って貰おうとして
でも、母親は犬嫌いで
父親が、しつけてくれたけど
上手く、トイレが覚えられない
だから、父親から
うちでは、飼えないよ、と
おまえが、拾ってきたんだから
おまえが、捨ててきなさい、と
おとうさんは、だから
こいぬを、捨てなければ
ならなくなったかも知れない
少年だったおとうさんは
ただ、こいぬが
可愛くて、可哀想で
ぼくが、守らなくちゃって
きっと、それだけだった
でも、少年だったから
なんにも、出来ない
いぬのしつけ方なんて
なんにも、知らない
だから、父親から
飼えないと、言われて
捨てて来なさいと、言われて
そうすることしか
出来なかった
少年のおとうさんは
こいぬのいのちを、弄んだ
気分で、こいぬを拾ってきて
何一つ出来ずに
こいぬを、捨てることしか
出来なかった
だから、こいぬの
いのちを、弄んだ
そんなことが
あったのかも知れない
ただ、おとうさんも
やがて、おとなになる
誰でも、みんなおとなになる
おとなになると言うことは
何もかもに、責任を持つ
いや、持たなければならない
そう言うことだ
だから、捨てられたこいぬを
拾うと言うことが
そのいのちに
責任を持つ
そのいのちを、育む
そのことに、責任を持つ
いや、持たなければならない
そんなことを、思い知る
思い知らされる
思い知って
そうして、おとなになる
いや、ならなければならない
そして、なってきた
そう言うことだ
だから、少年が
おとなになって
おとうさんに、なれば
あの時に
無垢な幼い思いだけで
こいぬを、拾った
そして、捨てた
おとうさんも
「うちでは、もう飼えないよ」
と、言うようになる…

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