本当かな、と思う
いや、本当なんだと
思い直している
記憶の切れ端
多分、記憶と言う本当
本当の本当じゃない
本当は、甦らない
小学生のおまえが
帰り道で、泣いている
そんな子犬と出会った
抱き上げたかったけど
我慢した
そして、ぐずぐずした
ついて来てくれるかな
子犬の泣き声
か細い、消え入りそうな
振り返ると、子犬だ
見上げている
見下ろしているおまえ
ついて来てくれた
仕方がない
ついて来ちゃったんだから
かあさんへの言い訳…
そんな記憶の断片
あれこれ、数々
埋めているジクゾー
嵌まらないジクゾー
無理矢理嵌め込んで
物語
小学生のおまえと
捨てられた子犬の物語
何度も何度も何度も
嵌まらないけど
組み合わせている
その物語も数々
本当の物語
本当の本当ではない
物語の本当
ただ、本当も
本当の物語の
遥か、彼方
泡のように、膨らんで
泡のように、弾けて
今は、ただ遥か