もう、燃えたぎった空じゃない
少し、日差しは熱いけど
空気は、澄み切っている
その先、空は深い蒼
ぞんな風な日和だろうか
和室に転がっている
振り仰いだ障子戸には
くっきりと、影
物干し竿と、洗濯物
生活感の塊だけど
何故だか、その影迄
くっきりとしていて
澄み切っている
眺めている、おまえ
気持ちは、凄く澄み渡る
それは、あの真夏の日々に
燃えたぎっていた
あの陽光に灼かれて
のたうち回っていた
あらゆるいのちが
灼き尽くされて
燃え殻となって
今は、冷気も孕んでいる
透明な陽光に
改めて、透かされている
いのちは、浄化された
多分、錯覚だな
いのちの燃え殻は
ただ、燃え殻で
きっと、無惨なだけ
こうして、眺める
おまえも
そんな遠くはない
やがて、燃え殻
浄化される訳じゃない
多分、ただ無惨…