今みたいに、生垣が、高くなかった。今は、自分の目線よりは、高い。自分が、手入れをしない。植木屋さんはもちろん、シルバー人材センターも、懐が寂しいから、使いたくない。仕方がないから。自分ではなくて、妻が。仕方がないから、脚立を使って。剪定している。それを見たご近所さんが、「奥さん、本当、働きものだね!」とか、言っていたりする。立場のない夫は、こそっと、クルマで、出掛けたりする。はい、わたしです…
そう言うことで、当時も変わらず、妻が剪定。生垣は、1mちょっとくらいだったか。追いかけっこしていた、しろ。でも、別に、助走をつけた訳でもない。その場跳び。ぼんっ。次の瞬間、生垣を、綺麗にクリア。前のアスファルト道路。何事もなかったように。四本脚で、すっく、と。やばい、逮捕だ!人が来たら、大変。自分と、子どもたちと。三人、ダッシュ!でも、生垣、ぼんっ!と言う訳にもいかない。
車庫を回って。前の道。でも、追われれば、逃げるのが、犬の習性。犬?いや、しろの習性。逃げる。しろ、調整池の外周道路。だめだよ!そっちは、クルマが。来るから、危ない。散々、追い掛けて。知らんぷりで、引きつけて。ようやく。捕まえた!
でも、このジャンプで。フリスビーを、キャッチッ、とか。空中で。絶対、格好良いよな。アタマの悪い飼い主の、親馬鹿は、暴走しっ放し。自分と、息子たちと。
自宅から、歩いて15分くらいのところに、50万平米もある広大な県立公園がある。東日本最大級の方墳を始めとした巨大な古墳群。その古墳群を取り込んだ里山丘陵の公園だ。田舎の特権のような自然公園。その中に、だだっ広い芝生広場などもある。平日は、おばあちゃんと、おじいちゃんの、昔ゲートボール、今グラウンドゴルフの遊び場だが。休日には、色んな催しが、あったりする。わんこのフリスビー大会とか。
結構、本格的。地元の人たちだけの大会じゃない。芝生広場に、いっぱいクルマが、乗り入れていて。県外ナンバーが、いっぱい。キャンピングカーで来てる人もいる。
真ん中の広い芝生広場。みんなの嬌声。飼い主が、フリスビーを、投げる。わんこ、ダッシュ。拾うわんこ。でも、跳んで。空中、キャッチ!きゃあっ!また、ダッシュ。飼い主の元へ。お利口だね。
ラブとか、ゴールデンとか。レトリバー系の犬が、多いのかな。狩猟犬でも、ガンドッグと呼ばれるタイプ。獲物を追い回すタイプじゃない。猟銃で、仕留めた獲物を、飼い主さんの元に、探して、運んで来てくれる。犬でも、特に忠実で、優しい犬種だ。でも、運動能力の高い犬は、いる。ダッシュ。キャッチ!また、ダッシュ。飼い主さんの下へ。
格好良いな。感心。自分も、息子たちも。散歩には、ちょっと遠くて。しろは、お留守番。「ねえ、お父さん!しろ、あれ、出来るよね!」「そうだな!ジャンプ力は、負けないぞ。」そう言うことじゃないんだけど。
フリスビーを、買ってきた。人間様だけでも、遊べるし。でも、しろ。問題は、生垣跳び超えちゃうんだよね。一応、お父さんが、生垣を、塞ぐ。息子たち二人で、向こうの裏の家側を、塞ぐ。ケーブルから、放す。しろ、ケーブルも4mもあるから。結構、自由なんだけど。子どもたちが、フリスビーを投げて。追っかけるしろ。さすがに、危ない。首吊りに、なりかねない。
お兄ちゃんが、投げる。「ええっ⁉︎」「文句あんのかよ!」「…」と言うことで、お兄ちゃんが、投げます。ほらっ。初めてだけど。おっと。鼻に、かすった!惜しい。おもちゃで、似たことやってるもんね。拾って、咥えて。さあ、こっちへ。息子たち。しろ、知らんぷり。「ほらっ、寄越せよっ!」息子たち。逃げる、しろ。しっかりと、咥えて。息子たちも、フェイント。後ろ向いて、知らんぷり。しろ、あれっ?咥えたまま、近寄る。息子たち、振り向きざま。ダッシュ。しろも。咥えたまま、また。逃げた。仕方がない。後ろから、お父さん。捕まえた。何度やっても、おんなじ。だめじゃん、しろ。
と言うことで、しろのフリスビー犬計画は、あえなく、終了しました。