とっても、記憶に残る
多分、おまえが
なんとなく、感じていた
自分を、外から見ている
そんな自分の存在
外から見ている
自分の視線を
感じている自分
そんなこと、あり得ないな
だから、あり得ないお話
でも、気になったな
海岸の砂浜で、ひとり
おまえも、そんな時はあった
でも、月夜の晩はなかった
だから、実家の前の道路
満月の晩に出てみた
そんな、事はあったかな
アスファルト道路には
くっきりと影
じっと、見つめる
動くよ、おまえと同じにね
がっかりする
そして、ぼんやり
そんな時だな
ふと、見直すと
影は、蠢いている
「Kの昇天」
読んだ後だったか
さあ、おまえは
おまえの影は
天に昇り始めるのか
もちろん、もう一度
見直した影は
すっかり、静まり返っている
そうだな
天は、ただ虚ろ
地の、ずっと下にも
やっぱり、天はあって
ただただ、虚ろ
天は逆さまにすれば
落ちるところだ
そんな思いのおまえ
影は這ったまま…