記憶の闇に潜んだ
闇の闇の記憶
こいぬを捨てたこと
ただ、可哀想
おまえを頼るいのち
見捨てられなかった
ついて来るから
どうしても
抱きしめたかった
抱きしめたい
その一心で
抱きしめていた
あったたかった
そうだったのだと思う
もう手放せなかった
ずっと、抱きしめたまま
我が家に帰った
頼んでみるしかない
もう放せない…
そのこいぬを
おまえは、捨てた
何にも出来ずに
おまえは、捨てた
いのちを弄んで
おまえは、捨てた
だからかな
おまえは、二度と
わんこは、触らなかった
こいぬでも、おとなでも
いや、違うな
見向きもしなかった
見たくなかった
見なくても、時々
おまえのこころには
あの子がいたしね
トラウマ❓
そうかも知れない
でも、息子たちは
おまえの身代わりじゃないけど
おまえの悪い生き方は
少しは、しなくて済んだかな
おとなになったおまえは
新しいこいぬたちを
おまえの子どもにした
兄妹として育った
息子たちは
しろを
最期まで抱きしめて
ちびを
最期まで抱きしめて
おまえは
見守る事は、出来た
いのち…