他人じゃ無いからね
でも、おまえはおまえを
何となくだけど
分かっている
ような気持ちはしている
そう、その気持ち
おまえの気持ちは
結構、記憶にある
記憶は、断片
気持ちも、断片
一枚を拾うと
繋ぎ合わせたくなる
もう、一枚
もう、一枚
繋ぎ合わさる
おまえは、小学生で
帰り道、夕暮れ時
そのこいぬと出会った
ふたりは、見つめ合って
おまえが、抱き上げ
ふたりは、家族になった
もちろん、ずっと一緒
おまえは、おとなになり
結婚もして
やがて、子供たち
おまえとあの子と
おかあさんと
子どもたちと
みんな家族になった
永遠だった
…筈はない
あの子を
おまえは、捨てた
ずっと、その罪
やがて、おとなになり
贖罪されて
あの子は、また
おまえの腕の中
いや、溢れ落ちていた
隣り街、ペット霊園
火葬場の煙
立ち上って行く煙
あの子は、天国に
行けただろうか
でも、二度と会えない
おまえは、きっと
地獄に落ちる
記憶、断片の散乱
思いの断片となり
その尖った割れ先は
おまえを苛む