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自分は、
あの子を、
捨てたけど
息子が、
抱いて貰ってきた、
子いぬは、
おじいちゃんに、
なった
歩けなくてなって、
玄関ホールに、
寝かせていた
妻が呼び戻して、
帰省した、
息子の腕の中
か細い声
悲しげな声
一声だけ泣いた
でも、息子の腕の中
しっかりと、抱き締められていた
まっしろだった、
あのいぬ…
子どもが、
子いぬを拾ってきた
子どもの自分と、
同じだった
でも息子の子いぬは、
おばあちゃんになった
ずっと子犬のままの、
あの子とは、
違った
また、妻が、呼び戻して、
帰省した息子の、
腕の中
やっぱり悲しげに、
泣き声を上げて、
息絶えた
抱き締められていた、
腕の中
抱き締めていた、
大人の息子
老いていた自分は、
抱き締めては、いない
だって、あの子たちは、
息子たちの子いぬで、
自分の子いぬは、
別にいたから
時は巡る
みるみると、
巡っていく
もっと老いてしまった
自分には、
子どもの自分や、
あの子
子どもの息子たちや、
あの子いぬたち
みんないなくて、
誰もいない、
庭がある
花々が、少し
咲き残っている
春の終わり
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