いちばんに
テレビを買った
首都圏の地方都市
昭和３０年代
海辺の高台は
開発は、遅れて
ぱらぱらと戸建て
遠くに海が光る
緩やかな坂上
少し、家が並ぶ
その小さな集落では
力道山の試合があると
近所中、みんな
大工さんの家に集まり
わいわい、がやがや
みんなで、テレビを見た
それ以前には
例えば、映画
観に行った、記憶さえない
初めての映像体験
いちばん小さなおまえは
いちばん前
至福の記憶
やがて、実家にも
テレビが入ると
一日中、テレビになった
少しは、本も読んだけど
考えてみると
おとなになっても
暇な時間は
結構、テレビ
それが、今はＳＮＳ
それも、動画が主
子どもの頃には
テレビを見過ぎると
目が悪くなる、とか
頭が悪くなる、とか
小言を言われた
でも、目は
ずっと、良いまま
頭は、生まれつき
悪い訳だから
ちょうど良かった😅
