ちびは、いなかったね
ふたりの散歩は
とことん長かった
5、6kmは、普通に歩いた
しろも疲れないから
あたまは弱かったけど
こころも弱かったけど
いや、違うか
あたまが悪くて
こころが弱いか
でも、脚だけは
健脚だった
早いし、いくらでも歩けた
そんなふたりの散歩は
里山丘陵も歩くけど
必ず田んぼ道は歩く
Tね川の土手迄
延々とした、田んぼ道
両脇は、里山丘陵
でも、目の前にあるのは
一面の田んぼ
ところどころには
浮島のような
小さな里山
田んぼを真っ直ぐ行った
里山浮島の手前には
お稲荷さんがあった
お稲荷さんのある道に出た
そこで、引き返すか
もっと、行くか
考えていたその時
しろが、おまえの陰に
ふと、目をやると
何人ものお巡りさん
歩いて向かって来る
そう言えば、最近
この辺りで
子どもの連れ去られそうになる
そんな事件が、何回かあった
そんなことを思っていると
お巡りさんの行列は
目の前迄、来た
ど真ん中には
ゲージに入れられて
引かれて行く
ジャーマンシェパード
もちろん、大型犬だけど
見た事もない程
大っきくて、輝いていた
ゲージの中では
スフィンクスポーズ
悠然と辺りを睥睨
睥睨されたしろは
お父さんの陰で
いつもの無駄なイキり
ファイテングポーズ…
いや、出来ていない💦
ただ、縮こまって
ひいっとも、言わない
はあっはあっもしない
息を殺している
通り過ぎて行く
シェパードの行列
さあっ、もう大丈夫だよ
嫌がるしろ
おとうさんの陰がいいのか😅
十分に、遠くに去って
やっと歩き出すしろ
普通は、こんな時も
去った瞬間に
陰から出て来て
飛び掛かるポーズ
意味ないんだけど😫
その日は、それもなかった
よっぽど、怖かったのだろう
別に吠えられた訳でもない
ちょっと、ひと睨み❓
それだけだったんだけどね🤣🤛😿
シェパードの行列は
暫く行った先の
警察車両に向かった
まず、ケージごと
シェパードを載せて
お巡りさんたちは
クルマで、去って行った