壮年期の自画像
そして、昨年載せた
晩年の自画像
改めて見て、思ったのは
成功と失敗か
壮年期の姿には
成し遂げた自信に
過程であった筈の
罪やら、挫折やら
そのほんの僅かな苦味
そんな風にも思える
晩年となると
罪やら、挫折やら
成功の妄想も消えて
苦味に覆われた
おのれのこころのうち
その暗がりを
覗き込んでいる
そんな目にも見える
生気が乏しい
虚ろな目
その見つめる先には
もののある世界でない
苦くて、まっくらな
ただの虚ろ
そんな虚ろを
虚ろに覗き込む
虚ろな目
きっと、この人の
その生きて来た途は
ただ、虚ろで
向かって行く明日も
明日のない虚ろ
どうしてなんだろうね
おまえは
成功したことがないから
いつも、こんな風だった
思春期には
いや、子どもの頃にも
ふと我に返る
気づいていた
おまえの視線は
虚ろで
虚ろに覗き込んでいた
苦くて真っ暗な虚ろ…
