感情が、抑えられない
抑えられない、気持ち
同僚には、言ったと思う
「おめでとう」とか
確かに、そんな感じ
でも、そんな感じじゃなかった
気持ちが、ず〜んっと
響いて、しみ込んで
抑えているから
ず〜んっ、そんなまま
気持ち、こころ
舞い上がってないけど
なんだか、滲んでいた
気持ち、こころ
言い様のない感情
ほんのりと、でも熱くて
しみじみ、ず〜んっ
沁みて、沁み込んで
溢れて、滲んでいた
二人で、タクシーで行った
１ＤＫの公団から
あの港の赤十字
でも、もう夜だった
看護師さんに託して
仄暗い、待ち合い廊下
真夜中になった
誰も通らない
随分と経った
今日は、もう、と
初産では、あるらしい
連絡をくれると言う
家電だけじゃなくて
会社の電話も伝えた
朝迄に、とは限らない
終電があって
真夜中の帰り道
公団の１ＤＫ
今日は、ひとり
眠れたかな
ひとりの１ＤＫ
翌朝も、電話は来ない
こっちから、したと思う
病棟の看護師さん
まだ、かかりそうだ、と
会社は、休めない
午前中だったのかな
午後だったのかな
夕方だっただろうか
初産は、難産になりやすい
随分と掛かった
電話に出た
看護師さんからだ
無事、生まれた
ただ、ず〜んっ…
