結構、のめり込む
いや、そんなもんじゃない
すっかり、のめり込んでいる
だから、おまえは
おまえ自身の世界でだけ
喜び、怒り、哀しみ、楽しむ
そうじゃないと
思えた時も、あったけど
でも、結局
おまえ自身の為に
おまえ自身だけで
おまえ自身の世界で
喜び、怒り、哀しみ
楽しんでいた
だから、他人が
喜び、怒り、哀しみ
楽しんでいても
いつも、寄り添えない
分かち合えない
何の熱も、持てずに
ただ、傍観しているだけ
そんな、おまえ自身を
感じていたんだ
共に、熱を持とうと
気持ちを、空回り
させたこともあるけど
気持ちは、回らず
熱は,失せて
気持ちは、凍りついたままだ
おまえは、ひとりで
生きていけるつもりなのか
いや、そうじゃないって
分かっているけど
それでも、どうしても
他人の熱には
うなされる事は、出来ない
でも、おまえ自身が
危地に陥って
もの凄く、動揺して
気持ちは、激しく発熱して
ただ、呆然と
いや、違う
死に物狂いで、足掻く
そんな時々に
多くのひとたちが
そのおまえの熱に
ともに、発熱して
寄り添ってくれたりする
いや、そうじゃないだろう
必ず、誰か
寄り添ってくれただろう
だから、おまえは
ひとりのつもりでも
ちっとも、ひとりではなくて
ただ、他人の熱を
貰うのが、面倒なだけで
なんとか、ひとりに
なろうとしてきただけだ
でも、こうして
過ごしてきた歳月の中で
少しは、その事を
悟るようになって
時々には、他人にも
掌を、添える
その位は、出来るように
なったのかも知れない
でも、その掌は
やっぱり熱がなくて
冷たいままだな…