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日記、日々の想い 

救急車…横たわっていたおまえ

すっかり、高齢化だからね
この街も
バブルの頂点の少し前
随分と、経って
あの頃は、みんな
働き盛りだった世代
造成された街では
おんなじように
中高年になり
現役が、終わり
高齢者になる
今は、自宅では
お葬式はしないからね
霊柩車は、来ない
ただ、救急車は来る
最期だけではない
だから、頻繁に来る
もちろん、一度で最期もあれば
何度も乗る人もいる
とにかく、す〜っと来ている
大通りで、サイレンが鳴っていた
どこへ行くのかな
と思っていると
知らず消えている
どこへ行ったのかな
ぼんやり、外を眺めている
調整池の向こうに
パトライトが、クルクル
…そうか、最近は
配慮なんだな
うっかりすると
玄関を出てみると
裏手の家の傍にいたり
いや、目の前に
停まってたりもする
分譲時入居世代では
おまえは、かなり歳下
団塊以上の住人の皆様は
おまえより、かなり近い
そんな時代なんだな、と
振り返って、玄関扉を開ける
そうだな、その向こうには
おまえのあの時の記憶
まだ、学生のおまえ
危ないバイトをして
大怪我を負った
今になって、顔を覗かせた
この足の不自由の原因
おまえは、救急車の寝台
救急隊員の人たちに
励まされている
酸素マスク
息も絶え絶え
クルマの天井は見えている
その真上からは
いつもは遠い,あのサイレン
あの音が、咆哮…
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