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日記、日々の想い 

真夜中、暗闇、でも豆球が

実家が、海岸に引っ越したのは
おまえが、年長さんの春
世紀を、遥か跨いだ大昔
確かに、蛍光灯は
知ってはいたけど
当時のおまえには
珍しかった
かあさん実家には、あったか
実家の元の古い家は
全部、白熱球だったか
それが、新居では
蛍光灯になった
20Wの蛍光灯2本
今から、思えば
物凄く、暗かったのかな
まあ、時代とは
そんなものだ
だから、もちろん
当時の新居の夕餉は
とにかく、明るく感じた
やがて、夜も更けて
家族で、布団を並べて
末っ子のおまえは
大概は、真ん中
とうさん、かあさんのね
でも、真ん中は
意外と、厄介
引っ越して、直ぐは
夜中のトイレは
かあさんについて来て貰うとか
そんな感じだったが
だんだん、そうも行かない
そんな風だと、にいさんの嫉妬
おまえは、いつもそうだ
トイレ位、ひとりで行けよ
おまえにも、意地はある
別に、ひとりで行けるけど
当然、意地は張る
そんな風になると
よけい真夜中には
行きたくなる
とうさんと、かあさんの間
踏まないように
抜け出さないとね
それも、起こさないように
抜き足、差し足
そんなときだ
やっぱり、新しい家は良い
蛍光灯は、消えていても
豆球、寝明かりがあった
それでも、闇は深いけど
ほんのり、薄明かり
やっぱり、怖いけど
少し、怖くなかった…

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