とうさんなのに
おまえより、若い
46才で亡くなったから
昭和四十年代前半
ずいぶんと、時は経った
経ったのに
とっくに、跡形もない
とうさんは
おまえより、若い
おまえの記憶にある
とうさんは
おまえより、若い
でも、とうさんで
おまえは、乗り越えたい
いや、乗り越えたつもり
そんなつもりで生きて来た
とうさんのことを
おとなになって
思い返せた
たいした事ないよな
何しろ、かあさんには
21年で死別した
かあさんにとっては
とうさんは、永遠
そうなったらしい
決して、裏切らない
かあさんの唯一無二
だから、だろうか
思春期のおまえは
そんなとうさんを
余計に疑って
貶めよう
そうしたかも知れない
すべて、全否定
今は、どうだろうか
今のおまえよりは
若いとうさん
色々未熟❓
おまえがね
未だにね
いや、とうさんは
もう、正直遠い
よく、思い出せないひと…