この身体は
二度と若返らないし
まあ、そう思えば
余計、衰えるし
もっと、もっと
しっかり、動けば
遡れないけど
身体は、多分それなり
少し、持ち直す
いや、少なくとも
持ち堪える
そうなんだと思う
でも、本当には
昔には、戻らない
あの大怪我
する前には、戻らない
こんな脚でも
しっかり、動けば
もっと、しっかり出来る
そうしなければならない
それは、思う
そして、あれは思わない
怪我する前に、戻れたら
怪我を避けられたら
もっと、脚は楽だったか
あれは思わない、と
ふと、あれがある
あの時、ああしていれば
こうはならなかった
決して、思わないけど
思うつもりはないけど
思いが、あそこにある
思いは、遡ったのか
遡っていないな
思わないはずの思いが
あそこにあるのも
それは、思う事は
ないつもりの
今のおまえの
生んでいる思い
あの一瞬の
少し前のおまえは
そんな事は
思いもしない
遡った思いも
今、ここにある思い
身体と同じ
思いも
ちっとも、遡れない…