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日記、日々の想い 

グローバルダイニング問題

 この問題は、同調性圧力社会の限界なのかな、と思った。グローバルダイニングが、狙い打ち的に、時短命令を出されたら理由が、SNS上で、時短を拒否した理由を主張したことを、他社に対する"煽り"と判断したと言うのが、都側の命令の理由のようだ。この命令に違法性がある、言論の自由の侵害に当たる。そんな、グローバルダイニング側の訴訟趣旨のようだ。二千店あると言われる時短拒否店のうち、命令を受けた27店舗中、26店舗が、グローバルダイニングの運営店と言うことで、差別的な一社狙い打ちとも言える。これは、問題提起の為で、賠償請求額104円と言うことも含めて、グローバルダイニングの提訴には、理があると感じた。
 では、提訴された都側に、一方的に非があるのかと言うと、そう問題は簡単ではない。だいたい、こんな場合、法や条例に違反状態にある最大手を狙い打ちで叩いて、業界全体を締め上げると言うのは、昔から役所の常套手段だった記憶がある。会社員時代、そんな実例の噂話は、身近で良く聞く話だった。
 もちろん、そんなことは、不当だし、行政のあり方として、間違っているとは思う。ただ、大手を処分することで、零細な業者を間接的に脅すと言う効果がある。更に、規制の効果の行き過ぎが、業界全体の萎縮や混乱を招きかねないように、緩やかに施行出来る利点もある。ただ、実際には、一部の不敵な業者は、やりたい放題になったりする。
 多分、都側は、数万店あるとされる要請遵守の業者たちから、かなりの突き上げを食ったのではないか。曰く、守らない店は、このまま逃げ得なのか、と言うような。それは、そうだ。あの大手は、規制批判を堂々として、要請を無視しているが、あのままなのか、と。真面目に協力したものだけが、馬鹿を見なければいけないのか、と。ただ、二千店を処分すると、社会的な混乱を起こしかねないから、"煽り"を理由として、違法性ぎりぎりで、僅か四日を残して、実害が少なく、アリバイ作りだけの、命令を出したのだろう。まあ、お粗末と言えば、お粗末ではある。ただ、命令は、特措法の根拠があるから、出したこと自体は、適法だと思う。
 まず、政府が、自治体に丸投げしている自粛要請が、業者に不利益があるとしたら、要請には、違法性があり、問題だ。特措法を発出して、法的根拠を持たせなければならないだろう。かと言って、特措法には、明確な罰則が無かったから、無視はしようと思えば、出来る。それで、国会でのやっつけの法改正となり、罰則も作った。しかし、罰則を作れば、罰則を実行しないと、我慢して遵守している側からは、不満が出る。当たり前の事だ。そして、命令となった。
 一方、飲食店だけに絞った夜8時閉店とする時短要請は、飲食を伴った会食が、不要不急な事由の中で、最大の感染要因とされる調査結果によるものだった。しかし、それは、必ずしも、正確で詳細な実証的データに基づいているとまでは、言えない事実もある。そして、その不確かな根拠で、規制を受ける理不尽を主張して、要請を拒否すると、実害のある罰則を受けることになってしまう。あり得ない。
 だいたい、緊急事態宣言の発出を渋った国側は、余計な国費を使いたくない、中途半端な法の施行で、余計な責任を負いたくないと言うのが、本音だったのではないか。
 自治体側は、と言えば、法的に何の根拠もない要請を出せば、無用な責任を負いかねない。宣言を発出させて、国費も引き出したいと言うのが、底意だったのではないか。
 結局、自治体独自の要請も、緊急事態宣言も、突き詰めれば、日本人の同調性圧力に期待して、頼っていただけだった。ただ、その同調性圧力を利用するだけでは、不満を抑え切れなくなる程に、この感染症禍は、長期化してしまった。
 そうなって生まれた不満を解消するには、本当は、より実効性のある措置を、法的に、担保しなければならない。でなければ、すべて自己責任の社会にするかだ。罰則などは設けずに、補償をもっと手厚くと言う議論は、あった。でも、そうやってお札を刷り続ければ、いつか札などは、ただの紙切れになる。
 日本人の国民性も変わってきているし、もう同調性圧力を期待するだけの行政には、限界が、来たのだろう。自由を常に享受出来る権利もある代わりに、はっきりとした自己責任を負う。自由な自己責任社会。でなければ、監視と管理の国家責任社会。まあ、その中庸が理想と言うこともあるかも知れないが。いずれにしても、国民が、きちんと投票行動で、意思表示をして、決めなければならない。… と、偉そうなことを、言ってしまったが。所詮、自分は、老い先短い年金生活者。しかも、引きこもりの徹底自粛生活中。だから、民意が示されて、野放図、自由社会になろうが、相互監視、国家管理社会になろうが、自分は、隅っこで、細々と生活出来れば良い。もちろん、投票には行って、権利と裏返しの義務は、果たすつもりだ。
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