たけじいの気まぐれブログ

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心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな

2024年11月30日 09時08分31秒 | 懐かしい小倉百人一首

足腰大丈夫な内に、出来る限り不要雑物整理をしようと決心してから久しいが、正直あまり捗っていない。書棚や天袋、押入れ等に詰め込まれていた古い書籍や辞書、百科事典等の類も、ここ数年間で大胆に整理処分してきたつもりだが、中には、「これ、面白そう?」等と目に止まり、残してしまったものも結構有る。その中のひとつに、多分、長男か次男かが、学生時代に使っていたものに違いない、小町谷照彦著 文英堂の「小倉百人一首」(解説本・参考書)が有る。パラパラとページを捲ってみたところ、なかなか詳しく、分かりやすく、決して、「今更 向学心?」なーんてものではなく、子供の頃、作者や歌意も分からないまま、「けふ、けふ、けふ・・」「なほ、なほ、なほ・・・」等と、正月になると必ず家族でやっていた「百人一首かるた取り」を思い出して懐かしくなってしまったからで、今更になって、「へー!、そういう歌だったのか・・」、目から鱗・・、になっているところだ。
「小倉百人一首」は、奈良時代から鎌倉時代初期までの百人の歌人の歌を、藤原定家の美意識により選び抜かれた秀歌であるが、時代が変わっても、日本人の心情が呼び起こされるような気がしてくる。
ブログネタに?、頭の体操に?、いいかも知れない等と思い込んでしまい、数年前から、「春」「夏」「秋」「冬」「恋」を詠んだ歌を取り上げて、ブログ・カテゴリー「懐かしい小倉百人一首」に書き留めてきたが、そのいずれの区分にも属さないとされる歌も沢山有り、引き続き、順不同、ボツボツ、書き留めてみることにした。


百人一首で、
「春」「夏」「秋」「冬」「恋」を詠んだ歌以外の歌
その19

心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな

出典
後拾遺集(巻十五)

歌番号
68

作者
三条院

歌意
もはや、この世に生き長らえたい望みはないが、
心ならずも、今後も、辛くて苦しいこの世に、
生き長らえるならば、
さぞかし、恋しく思い出されることであろう、
今宵のこの美しい夜半の月であるなあ、

注釈
「心にもあらで」=「不本意にも」「自分の本心ではなくて」の意。
「うき世にながらへば」の「うき世」は、「憂き世」に通じて、
「辛い、苦しいことの多い世の中」の意。
「ながらへ」は、「生き長らえる」の意。
「恋(こひ)しかるべき」=「恋しくなるだろう」の意。
「べき」は、推量の意を表す助動詞。
「夜半(よは)の月かな」の「夜半」は、夜中のこと。
後拾遺集の詞書(ことばがき)には、
「例ならずおはしまして(御病気でいらっしゃって)、
位など去らむとおぼしめしけるころ、
月のあかかりけるを御覧じて」
とあり、
退位が迫った絶望の嘆きと
美しい月を見ての感慨が表現されている。


三条院(さんじょういん)

第63代天皇冷泉天皇の第2皇子、第67代天皇、
母親は、藤原兼家(ふじわらかねいえ)の娘超子(ちょうし)、
在位5年で譲位、翌年に崩御、
病弱だったこと、在位中に二度も内裏が炎上したこと、
藤原道長の圧迫を受け退位を迫られたこと等々、
薄幸の天皇だった。


参照・引用
小町谷照彦著「小倉百人一首」(文英堂)


(つづく)


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1 コメント

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今月中もお世話に成りました! (ひろし曽爺1840)
2024-11-30 10:03:53
👴>たけじいさん・お早う御座いま~す!
@('_')@先日はコメントや応援ポッチを有難う御座いました:感謝&✌です!
💻>今日は「三条院の一句」を紹介して貰い楽しめました;👍&👏で~す!
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