たけじいの気まぐれブログ

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「舟唄」

2024年01月12日 13時12分45秒 | 懐かしいあの曲

相互フォロワー登録している数多の方々のブログでも、昨年末、12月30日に亡くなった、演歌歌手八代亜紀さんを追悼する記事が拝見され、いちいち、「そう、そう」、「うん、うん」、頷いていたが、昨日、1月11日の朝日新聞朝刊の「天声人語」に、ふっと目が止まり、その思いのこもった文体に引き込まれてしまった。
追悼の意も込めて、転写させていただくことにした。

雪の吹きすさぶ海沿いの小さな町、高倉健の演じる男が、ふらりと居酒屋に入る。奥には倍賞千恵子演じるおかみ。他に客はいない。「正月も、くにには帰らないのかい?」。ぽつぽつした会話から、孤独を抱えた者同士だと互いに悟る。その時、店にテレビから歌が流れてくる。
▼「お酒はぬるめの燗がいい/肴はあぶった・・・・・」。哀切に満ちた声で八代亜紀さんが「舟唄」をうたわなければ、映画「駅 STATION」は成り立たなかっただろう。劇中で3度も流れる。脚本家が歌の世界にほれぬいた。
▼映画の2人だけでなく現実でも、孤独にさいなまれる時はある。「舟唄」は、そんな背中をそばで静かに見守ってくれる歌だった。口ずさみながら、夜を過ごした人も多かろう。
▼当初は、美空ひばりをイメージしてつくられたものだったという。だがめぐりめぐって、デビュー9年目の八代さんの手元に届く。あの情念の宿ったハスキーな声を通じて、あるべき一人酒のたしなみ方を教わった身としては、運命の気まぐれに感謝せねばなるまい。
▼かねて「歌は誰かの心を表現する代弁者だ」と語っていた。だからこそ「なみだ恋」や「雨の慕情」などの名曲に、多くの人が自分を重ね合わせたに違いない。八代さんが亡くなった。享年73。
▼都会の盛り場で、どこかの港町で、弔いの杯が傾けられていることだろう。よけいな飾りはいらない。「涙がポロリとこぼれたら/歌いだすのさ 舟唄を」

今更になってネットで調べてみると
「舟唄」は、1979年(昭和54年)、作詞 阿久悠、作曲 浜圭介、唄、八代亜紀で発売された、第21回日本レコード大賞金賞等々、受賞している演歌だった。
さらに、改めて、八代亜紀さんの生い立ちや、演歌の女王に至るまで経緯を知り、「人に歴史有り」、その才能、その功績を心より称え、まだまだご活躍中に病魔に襲われた悔しさを思い、心からご冥福をお祈りしたい。享年73歳。
彼女の歌声もまた、永久に、日本人の心に生き遺っていくはずである。

追悼「八代亜紀」舟唄 (YouTubeから共有)


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