先週末「京都市美術館」へ行ってきたが、この本がオフィシャル・ガイドブック。
テーマは、『風俗画にみるヨーロッパ絵画の神髄』。
サブタイトル『なぜ「天文学者」はキモノを着ているのか?』、だ。
つまりこの表紙絵。
P8-10
フェルメールがこの絵を描いていたころ、鎖国政策を敷いていた日本にとって、オランダはヨーロッパで唯一、通商関係をもつ国となっていた。独占的な交易権を得たオランダには、日本の文物が大量に輸入された。なかでも絹の着物は裕福な市民階級・知識階級の間で大流行し、需要に入荷が追いつかなくなるほどの人気があったという。
以下、今回の京都市美術館では展示されていないが、ガイドブックで紹介されている絵についても紹介する。
青のターバンは当時西ヨーロッパで流行していた「トルコ趣味」の反映、と。
いわばトルコ人風「コスプレ」となっている、と。
それにしても、耳の真珠がでかすぎ!
鬼太郎の目玉のおやじより、でかいかも?
P11
フェルメールに関する多くの謎と同様、この真珠についても、事実は明らかではない。
本書に工夫が凝らされているところは、日本の風俗画と比較していること。
日本の風俗画・・・即ち「浮世絵」。
ホント興味深い比較だ。
特に、喜多川歌麿「婦女人相十品 文読む女」とフェルメール「手紙を読む青衣の女」の比較。
オランダも日本も識字率が高かった、と言うことである。
教育は婦女子にまで浸透していた。
【ネット上の紹介】
ルーヴル美術館が誇るフェルメールやレンブラント、ルーベンス、ティツィアーノ、ブーシェ、ヴァトー、ミレーらの巨匠による「風俗画」の名作を満載。美麗な図版とともにそれら名画の見方と魅力をわかりやすく解説。
【目次】
第1章 「風俗画」の謎と魅力(なぜ「天文学者」はキモノを着ているのか?―フェルメール『天文学者』
「あの世の幸せ」と「この世の幸せ」を天秤にかける―マセイス『両替商とその妻』
ほんとうに騙されているのは誰か?―レニエ『女占い師』 ほか)
第2章 「日常生活のなかの美」を求めて(文字を学ぶ子ども―テル・ボルフ『読み方の練習』
日々の営み―ダウ『田舎の料理人の女』または『水を注ぐ女』
母と子の情愛―フェルコリエ1世『授乳する女性』 ほか)
第3章 「ルーヴル美術館の名画」にみるヨーロッパ絵画の仕組み(ヨーロッパ絵画の仕組みと「風俗画」の誕生
ルーヴル美術館、その絶え間なき挑戦
「時のギャラリー」という体験)