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「弱き者の生き方」五木寛之/大塚初重

2018年01月30日 20時23分18秒 | 読書(対談/鼎談)


「弱き者の生き方」五木寛之/大塚初重

五木寛之さんと考古学者・大塚初重さんの対談。

P173
人生を登山にたとえると、登山というのは登るだけでなく、無事に事故を起こさずに下山することも大事な仕事だと思うのです。
 美しき下山といいますか、実り多き下山といいますか、人生の峠道にたたずんで、今度はゆっくりと成熟した豊かな下降をどのように人間的に充実してやっていけるかという、その考え方が熟年層には大切なことではないでしょうか。

p255
十九世紀、二十世紀の人間は傲慢になりすぎて、地上の王者のように振る舞ってきたじゃありませんか。これを、人間というのは非常に弱い、他の草や木と同じような存在であるという、謙虚な気持ちにいっぺん戻る必要があるのではないか。

【備考】
ページは、ハードカバーでのページである。

【ネット上の紹介】
「人間って、地獄に落とされたとき逆に、笑いがこみ上げてくるものですね」引き揚げ者の作家・五木寛之と、撃沈された輸送船の生き残り、考古学の泰斗・大塚初重の二人が、時に泣き、時に怒り、そして感動を共有した。戦後最悪のいま、地獄を見てきた二人が“弱き者”へ贈る、熱く、温かい、生き延びるためのメッセージ。
第1章 弱き者、汝の名は人間なり(人は弱し、されど強し
虎屋の羊羹、銀座のネオンで殴られる ほか)
第2章 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(極限状態で交錯する善と悪
二度目の撃沈と敗戦 ほか)
第3章 心の貧しさと、ほんとうの豊かさ(肉親の死を身近に感じる大切さ
お金という魔物 ほか)
第4章 人身受け難し、いますでに受く(人生の峠道でたたずむ
人間性と謙虚さ―前田青邨先生の教え ほか)
第5章 人間は、ひとくきの葦である(「負け組」などいない
辛いことも直視する勇気をもちたい ほか)