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「中国VSアメリカ」橋爪大三郎

2021年02月09日 10時46分04秒 | 読書(台湾/中国)

中国 vs アメリカ
「中国VSアメリカ」橋爪大三郎

今後の米中を考える入門書。
日本は、どう対処したらいいのか?

P77
習近平は、文化大革命で辛酸をなめた経験から、リベラルな政治家ではないかという観測が就任時にあった。その反対だった。陝西省で思春期を過ごし、海外の情報にも触れなかったため、周恩来や鄧小平とは対極的な、土着的な感性をもっている。胡錦濤が指導力が足りなかったので、決断力のあるリーダーがよいという長老の総意で、指導者に選ばれた。よくも悪しくも、中国の「本音」を体現する政治家である。(現在、共産党幹部の多くが、子息や令嬢を、留学させている。海外から彼ら、彼女らが戻ってきたら、その政治基盤は「世襲」されるであろう。すると今後、国際関係を理解するリベラルな中国に移行する・・・かも?)

P254
五族協和(融和)は、清朝の実態そのものであった。あくまで、多様なものの混在である。漢族は漢族、満族は満族、回族は回族、・・・だ。清朝は漢族に、たしかに、満族の風習(弁髪、纏足、服装、・・・)を強制した。けれども漢族を、満族に同化吸収したわけではなかった。漢族は漢族のままだった。むしろ満族が、漢族に同化吸収されたのだった。
(満族の風習=弁髪、纏足、とあるが、弁髪はともかく、纏足は漢民族の風習じゃないのか?・・・纏足 - Wikipedia

中国共産党への異論
P264
第一に、抗日戦争に勝利したというが、主に戦ったのは国民党で、共産党は脇役だったのではないか。第二に、人びとをを幸福にしたというが、財産や生活基盤を奪われたり、大躍進や文化大革命の間違った政策で死亡したり苦難にあえいだりした人びとも多いのではないか。第三に、改革開放は要するに資本主義で、共産党にふさわしいやり方なのか。第四に、大国となった中国は、国際社会で尊敬を集めるどころか、反感をもたれ孤立しているではないか。

【ネット上の紹介】
米中対決の時代がやってきた。歴史の針はもはや逆回しにはできない。これは米ソ冷戦とはまた違った、世界史の大事件である。年々存在感を増していく中国―私たちは何をどう考えればよいのか。中国共産党という不思議な存在の正体とは?中国のナショナリズムとは?香港、台湾はどうなる?起こりうる軍事衝突のシナリオとは?政治・外交に携わる人、ビジネスパーソン、一般市民も必読の、これからの「米・中・日」関係入門。

第1章 関与政策―アメリカの失敗
第2章 中国共産党の中国―毛沢東・〓小平・習近平
第3章 現代中国の本質
第4章 緊迫する香港
第5章 米中の軍事衝突
第6章 ふしぎな中国のナショナリズム
第7章 中国vsアメリカ自由連合