「ルポ児童相談所」慎泰俊
昨今、虐待にからんで児童相談所が話題になる。
本書は、児童相談所に併設されている一時保護所を中心にレポートされている。
P78
やってきたとたん服を含めた私物をすべて取り上げられ、保護所内に置いてある服を選び、それを着ることから生活が始まるところもあるそうで、ある子どもは「パンツに番号が振られていて、どこの中学生が番号のついてパンツなんか履くんだと思った」と話していました。
P121
一時保護所は、児童相談所に併設されていることがほとんどです。ただし、すべての児童相談所ではなく、地域で中心となる児童相談所に置かれている場合が多く、その数は2015年4月現在135となっています。年間で一時保護所にやってくる子どもの数は約2万人で、平均して約1ヵ月滞在します。
【参考リンク】
慎泰俊『ルポ 児童相談所』
【ネット上の紹介】
児童相談所併設の一時保護所は、虐待を受けた子どもや家庭内で問題を起こした子どもらが一時的に保護される施設。経験者の声は「あそこは地獄」、「安心できた」と二つに分かれる。社会起業家である著者自ら一〇カ所の一時保護所を訪問、二つに住み込み、子供たち、親、職員ら一〇〇人以上のインタビューを実施。一時保護所の現状と課題点を浮かび上がらせ、どのように改善したらよいのか、一方的でない解決の方向性を探る。
序章 「一時保護所」とは、どういう場所なのか
第1章 「一時保護所」で、子どもたちはどう過ごしているか(子どもたちの一日
保護所間格差は、なぜ起きているのか)
第2章 子どもたちの生活環境―様々な証言から(職員と、そこで生きる子どもたちのギャップ
一時保護所の運営を規定するもの
ルールを破ったら、どうなるのか)
第3章 児童相談所と一時保護の現状(「むしろ、かかわらないでほしい」という意味
なぜ、子どもたちは一時保護所にやってきたのか
一時保護決定後、保護所での生活が始まる
一時保護委託の拡大がカギ
児童相談所は、どうあるべきなのか
増加する貧困と虐待
激務に明け暮れる児童相談所)
第4章 よりよい子ども支援のために(行政ができることは何か
民間の人間にできることもある)